花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

小さな自慢

2019年06月19日 | その他
太陽が沈み、夜の闇に包まれるわずかな時間に現れるのがこの美しい青い空。
太陽はもう見えませんが、地平線の下で放つ光はまだ空に届きます。
その光のうち波長の短い青の光が上空のチリなどのぶつかり
空一面に散乱するためおこる現象でブルーモーメントと呼ばれています。
今から数年前、チームフローラフォトニクスは
国立極地研究所の協力を得て「極地のブルーモーメントは長いのか」という
テーマで1年間研究したことがあります。
南極の昭和基地から届く映像を見てびっくり。
オーロラがときどき現れる空で3時間以上も続くではありませんか。
太陽が沈んではすぐ上がる南極の夏ではこの現象がとんでもなく長いのです。
チームはこの大量のDVDの映像をRGBの3色に分けて時間ごとに解析し
RやGが徐々に消えてゆき最後はB(青)の色だけが残ることを極地研究所で発表。
RGB分析の手法が高く評価されたのを今も覚えています。
チームは夏や秋に名農のグラウンドにアクションカメラを設置し
全天を自動撮影しながら青森でも観測しましたが、今の時期は大変。
日没が遅いのでブルーモーメントが終了する夜8時頃まで観測しなければならないからです。
それに比べて晩秋はブルーモーメントも30分程度で終了。
観測も5時頃には終わりますが、むちゃくちゃ寒いのが短所です。
今年の夏至は6月22日。気の長い方はぜひチャレンジして見てください。
何かの資料にブルーモーメントは北欧で生まれた言葉だと書かれていました。
昨年、チームはその北欧ストックホルムで
それはそれは美しい本物のブルーモーメントを何日も目にすることができました。
美しい街並みとともに空に広がる濃いブルーは決して忘れることはありません。
チームフローラの小さな自慢です。
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ピンクと呼ばないで

2019年06月19日 | 学校
名農名物のツツジのトピアリーに花が咲きました。
秋は黒、冬は雪で白だった文字が
今度は鮮やかなピンク色のフォントに変わりました。
さて色にはさまざまな植物名がついています。
かつてチームフローラは染料植物の研究もしていたため
いくつか栽培していました。
代表的なのがムラサキ。根から抽出される赤っぽい青の色素は
紫色と呼ばれています。
また同様に植物のアカネからも
茜色と呼ばれる淡い赤色が、
またタデアイからは藍色の色素が抽出できます。
その他にも桃色、山吹色、浅葱色などすべて植物由来の色です。
さてこのツツジですが、ピンク色と表現しましたが
本来、ピンクとは別の植物を意味します。
なんだと思いますか。
実はナデシコです。
PINKは英語で元来ナデシコを意味するため
ピンク色とはナデシコ色なのです。
ピンク色でもなく桃色でもないとすれば
このツツジの色はなんと呼べばいいのでしょうか。
答えは簡単。「躑躅色」(つつじいろ)。
JISの色彩規格では「あざやかな紫みの赤」を
ちゃんとツツジ色と表示しています。
似たような色でもみんな世界にひとつだけの花。
誰かの真似ではなくみんなプライドを持っています。
これからはピンク色でも桃色でもなくツツジ色と呼びましょう。
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