花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

夏のダメージ

2019年10月08日 | 環境システム科
久しぶりの緑はリンゴンベリーの葉。
フローラが昨年、ストックホルムに行った時に
果実をジャムでいただいた思い出の樹木です。
ブルーベリーのような低木で
なんと氷点下40℃でも耐えられるといいます。
当然ながら苦手なのは高温多湿。
つまり日本の夏は地獄の夏です。
昨年植えましたが、樹木はなんとか夏を乗り越え
ご覧のような常緑の葉をつけています。
気にしていた果実も先日見ると
ご覧のとおりついているではありませんか。
まだ未熟ですが、なんとか結実もできたようです。
しかしちょっと気になるのは果実の数。
思ったより少ないのです。
また果実のついていない木もあります。
おそらく高温障害でも起きたのではないかと思われます。
今年は青森県も30℃を超える暑い日が続きました。
リンゴンベリーは森林地帯に自生する植物。
日陰になる広葉樹の下に植えればよかったのかもしれません。
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コットンボール

2019年10月08日 | 研究
今年、1年生の研究生が取り組んだのが塩害土壌での作物栽培。
ナトリウムがどれぐらい植物に影響を与えるか確かめる研究でした。
環境班が初心者の1年生にすすめたのがインゲンマメとワタ。
耐塩性の低いインゲンマメと高いワタを比べてみてはと提案したのです。
約5ケ月の調査の結果、耐塩性の差による生育や収量の違いを実感した1年生は
先日行われた日本植物学会で途中結果ではありますが報告しました。
そんな彼らが育てていたワタに9月下旬、真っ白な毛がつきました。
ワタはアオイ科の植物。アオイ特有のきれいな花を咲かせます。
受粉すると花弁が落ち、子房がとんでもない大きなに肥大しますが
最後はその子房が割れ、中から毛に覆われた種子が出てくるのです。
この繊維は種子毛というもので、種子を保護するためについています。
触ってみるとフワフワ。これを紡いで木綿にするんですね。
さて数年前まで名農には南部裂織を研究するチームがありました。
実際に古着を裂いて横糸にし、織物を製作しては
八戸や東京で展示するなどかなり積極的に活動していたのを覚えています。
なぜこの地域の先人は裂織を生み出したのでしょう。
それは貴重な木綿の着物をリサイクルするため。
なぜならワタの発芽も生育の適温も25℃以上と高温が必要なため
この地域では栽培できなから。つまり1本の糸くずすら栽培できないのです。
木綿といえば絹と違い、馴染深い繊維ですが
北国にとってはとんでもない貴重なものだったのがわかります。
今年は春から暑く夏も猛暑になりました。
青森でもこんな立派にワタが育つとは温暖化の影響かもしれません。
ところでこの綿花をコットンボールといいますが
アメリカンフットボールを思い出した人はいませんか。
アメリカの大学の大会にはローズボウルやオレンジボウルなど
開催地の名産物を名前をかぶせていますが
その中にコットンボウルと呼ばれる大会があります。
会場がボウル状になっていることからボールではなくボウルなんだそうです。
コットンボウルの会場は暖かなテキサス。綿花の産地なんですね。
ワタは漢字で、植物体のことを棉、繊維になると綿と書きあらわすそうです。
身近な存在のコットンですが、調べると奥の深い世界のようです。
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ホンマでっか

2019年10月08日 | 研究
ここは馴化温室。現在はハンターズが使っていますが
かつて約10年間、フローラがベースキャンプとして使っていました。
フローラは結成当時、高校発のベンチャーを目指していたので
初代や2代目はこの温室を会社と呼んでいました。
当時、誰も考えもしなかった不思議な実験ばかり行っては
県外で発表して受賞してくる。
こんな隠れ家遊びのような活動が面白くてみんな没頭したものです。
時々OGがやってきますが、懐かしい会社に
連れて行ってくれとよくいわれます。
それだけメンバーにとって思い出深い場所のようです。
さて夏の間、あまりにも太陽の陽射しが強いので
遮光カーテンを天井に展開させ防いでいました。
しかし秋になって光も弱まったので現在はカーテンはオープン。
今度は秋の陽射しが温室に入っています。
このようにこの馴化温室はスイッチひとつで
温室環境をコントロールできるコンピュータ仕掛けなのです。
とはいってももう何十年も前に作られたもの。
故障している箇所もたくさんあります。
どこが壊れていると思いますか?
お恥ずかしいのですが、なんと温室側面の窓が動かないのです。
それも開いたままの状態。そのため夏は換気になりますが、
冬は冷たい外気や雪が直接入ってくるので極寒の場所となるのです。
ここ数年は天窓の開閉機能も壊れたようで動きません。
つまりもう温室ではありません。
直してもらいたいのですが、なんとこの温室を設計施工した会社が
もうないようで、誰も直せないとのこと。
数千万円もした大切な教材である温室が直せないとは驚きです。
したがってこの温室で作業できるのも雪が降る前まで。
嘘のような本当の話。こればっかりはどうしようもありません。
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水仕事

2019年10月08日 | 研究
ハンターズが何やら活動しています。
実はこの日、取り組んでいる実験が一部終了したメンバーが出たので
少しずつですが、片付けを始めているのです。
まずはみんなで鉢の水洗い。
ハンターズは1年間に百個もの鉢を使います。
もちろん使い捨ての鉢ではありません。
したがって使い終わったらちゃんと洗って
来年に備えなければならないのです。
この日は台風が近づいていたため気温も高く
水洗い作業がとても気持ちいいようです。
でも今日の片付けはまだほんの一部。
これから本格的な大掃除が始まります。
名農祭もだんだん近づいてきました。
なんとか水洗いが辛く感じる前に終わりたいものです。
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