花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

南部太ねぎ

2019年10月29日 | 生物生産科
生物生産科は名農祭でダイコンやゴボウなど新鮮野菜を販売します。
それも数kg入っている大袋での提供です。
そのためお客様は自動車まで重い野菜を運ばなければなりません。
でも大丈夫。駐車場までちゃんと生物生産科の生徒が運んでくれるのです。
だから高齢者の方も安心。こんなおもてなしも名農祭の人気の理由です。
そんな生物生産科の野菜販売ですが、農場では販売しないものがあります。
それがこの南部太ねぎ。校内の生物生産科展だけの限定販売なのです。
昔からこの地域には南部太ねぎという在来種がありました。
太いうえに柔らかく甘い味は地域の逸品として
農家の方の自家消費やこの地域だけで愛されてきました。
しかし近代化が進み、次第に野菜が現金を得る商品となっていくと
柔らかい特性が逆に輸送上の欠点になっていきます。
そんなことで生産者はどんどん減少。
気がつくとたった一人の農家だけが
細々と自家用に栽培するだけになっていました。
10年前、絶滅寸前の南部太ねぎに着目したのが名農生物生産科の野菜班。
農家から分けてもらい栽培しては学校で自家採種し、
地域の農家に栽培を呼びかけていきます。
共感した町がバックアップしたこともあり、生産農家も少し増え始め
再びあの甘く柔らかい味が復活したのです。
この活動はテレビのダッシュ村でTOKIOの取材を受けるほど大きな話題となりました。
チームフローラフォト二クスの結成とほぼ同時に活動を始めた野菜班は
新しい技術を追い求める前衛的なフローラとは正反対に
地域の在来種復活にすべてをかける正統派農業研究グループ。
お互い切磋琢磨しながら大活躍したものです。
そんな話題の南部太ねぎが直接、あの野菜班から購入できるのですから
今年もたくさんのお客様が詰め掛けました。
県外では販売しないことにしている南部太ねぎ。
皆さんは食べたことがありますか。
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名農祭、半端ない

2019年10月29日 | 学校
名農は今日から先週開催された名農祭の振替でしばしお休み。
そこで名農祭の様子を少しご紹介します。
ここは第二体育館。生物生産科、園芸科学科、環境システム科と農業クラブの展示、
そして名農主催のコンテスト「アグリチャレンジ」の表彰式会場となっています。
初日の26日はあいにく終日の雨。それもかなりの強さです。
しかし代行員さんが早朝学校にきた時には、新鮮な野菜を求めて
もうお客様が詰め掛けていたといいますから
名農祭にかける地域の皆さんは半端ではありません。
そんなこともあって第二体育館にもたくさんの皆さんが訪れました。
生物生産科はこの数年、南部太ネギの販売をこの場で行っています。
でも面白いことに、その他の展示がまったくありません。
それもそのはず。実はグラウンドで野菜を求める
数千名ものお客様に対応しているのが生物生産科。
高品質の新鮮野菜こそ彼らの展示物なのです。
園芸科学科は恒例のフラワーアレンジの展示。
ところがここでも係の生徒が数名しかいません。
なぜなら園芸科学科も農場でシクラメンを販売しているからです。
それに比べ環境システム科は違います。
2〜3年生のほとんどの生徒がこの体育館につめているのです。
彼らが展示販売しているのはバーベキューコンロや木箱などの作品。
農場を持たない環境システム科は作物販売をしない代わりに
ものづくりの成果をここで披露しているのです。
これが環境システム科の特色。同じ農業高校の学科でありながら大違いです。
ハンターズもフローラも所属は環境システム科。
植物などあまり学ばない学科で植物研究を続ける彼らが
いかに異端児なのかがよくわかります。
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