花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

そうだ学会、行こう。

2019年10月14日 | 研究
チームフローラは結成時から名久井農業高校の文化祭「名農祭」で
なぜか専用の展示場を与えられ、わずか数名のメンバーで研究の展示紹介を行ってきました。
さらに食と科学のコンテスト「アグリチャレンジ」の企画運営も同時に行っていました。
コンテストは昨年から農業クラブに引き継いでもらいましたが
名農生の研究紹介部門はハンターズが引き継ぎ今年も行う計画を立てています。
昨年はストックホルムでの世界準グランプリを大々的に特集。
たくさんの皆さんがとても興味深げに見学してくださいました。
今年は何をテーマにしようか。そこで考えた今年のテーマは「そうだ学会、行こう」。
もちろんキャッチフレーズはJR東海の「そうだ京都、行こう」が原型です。
先ほどの名農祭のイベントと同様、チームは結成時から
さまざまな学会が主催する高校生ポスター発表会に参加してきました。
もちろん目的は引っ込み思案の名農生改革。
容赦ない専門家の先生とのディスカッションの場に鬼のように送り込んできました。
さらに1年生のフローラJr.も募集しては、しっかり研究活動を行わせ
秋や春に学会で発表させるという人材育成プログラムも行ってきました。
この伝統も嬉しいことに名農の文化として引き継がれています。
そんなことで学会での発表の様子を紹介する計画を立てました。
今年は東北大学で開催された日本植物学会と
静岡大学での日本土壌肥料学会に参加しています。
この大会で2年生や3年生が発表に使ったポスターはもちろん
1年生の研究生のポスターも展示する予定です。
さらに2009年から10年も参加していますが
その中で最優秀賞を受賞したポスターも数少ないのですが何枚かあります。
せっかくなので歴代最優秀受賞ポスターも掲示してみようかと考えています。
名農第1号最優秀は2010年3月の「白いりんご」。
フローラの双子チーム「アップルガールズ」のものです。
そして最も新しいのが今年8月にハンターズが受賞した「集水システム」です。
今年の名農祭は10月26日から27日の2日間。
みなさんのご来場をお待ちしています。
さて昨日の台風。各地で大きな被害を与えました。
南部町の馬淵川も氾濫が危ぶまれる水量となりましたが
なんとか免れ、午後には水位も減って行きました。
県内各地の被害も心配です。
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TEAM AQUA PHOTONICSの宿題

2019年10月14日 | 研究
ちょっと懐かしい画像をご紹介します。
真っ赤に染まっているのは水槽。
脇や上から赤いLEDを照射しています。
これは2016〜2017年に行っていた水生植物の研究。
予備実験では金魚の水草を使っていましたが、本番はジュンサイ。
湖沼に生える水草で、和食などの食材として利用されます。
青森県でも沼に自生するものを収穫していますが
高齢化した農家にとっては大変な作業。
そこでチームフローラフォトニクスは初めて
ジュンサイの人工栽培に挑戦したのです。
どうせ育てるなら生育促進や機能性を向上させようとお得意のLEDを照射しました。
すると湖面に近いところに自生するジュンサイは
陸生植物と同じように赤い波長で生育が促進されること、
またポリフェノールも増加することなどがわかりました。
しかし水は赤い波長を吸収するため、なかなか遠くまで光が届かなくなります。
そこで陸上の何倍の光をどの方向から当てると良いのかなどを
突き止めて、京都大学で開催された科学アイデアコンテスの
テクノ愛で発表したところ、上位入賞した思い出があります。
当時はこの水生植物の研究のほかに、
地元のお寺のハスの花復活に取り組んでいたため、いつも水遊びのような実験ばかり。
名付けた愛称がTEAM AQUA PHOTONICS。
何でも遊びにして楽しんでいました。
しかしこのTEAM AQUA PHOTONICS、
本当のターゲットはジュンサイではありませんでした。
狙っていたのは「海苔」の人工栽培。
近年、水温上昇などいろいろな影響を受け
収量や品質が低下し大きな問題となっています。
水環境を自在にコントロールできる水槽を振とう培養や回転培養のように
栽培法を工夫したら小面積でも十分な収量を得られ、
日本の海苔産業に大いに貢献できると思ったからです。
私たちの計画を知って、もし成功したら契約したいというメーカーもあったそうですが
残念ながらどうしてもフローラは海苔の苗?を入手できず泣く泣く断念
TEAM AQUA PHOTONICSは、このように大きな宿題を残したまま解散。
誰かチャレンジしませんか?
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