花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

チャレンジ

2019年10月11日 | 研究
この植物が何かわかりますか。
これはお茶の苗木。東北ではまず栽培されませんが
関西ではお茶畑はもちろん、
垣根に仕立てたりするので修学旅行でよく目にします。
2010年だったと思いますが
当時園芸科学科だった2代目フローラメンバーから
「お茶」を育てましょうといわれたことがあります。
青森県ではもちろん寒さが厳しいため
お茶を栽培している人はいません。
だからこそフローラが工夫してお茶を育て
みなさんに試飲してもらおうという提案でした。
アイデアは面白いものでしたが、この後、東日本大震災が発生し
フローラはすべての研究を休止しサクラソウ救出に向かいました。
したがって提案してくれた彼は挑戦することなく卒業していきました。
何でも挑戦するスタイルが売りのフローラなので
このように彼らのアイデアに応えられなかったことが
心のどこかに引っかかっていました。
そこで先日、思い切って苗木を数本ですが手に入れました。
もちろん数あるお茶の中でも耐寒性の高い品種を選択しました。
現在、お茶は秋田県と岩手県での栽培が北限です。
いずれも自家消費しているようで市場には出てきません。
しかし計算上はこの南部町もギリギリ栽培可能な範囲内。
試してみる価値はあります。
ハンターズは今年、来年の期間限定の研究チーム。
つまり2020年が最後の活動年です。
降水量、気温などいろいろ問題はありますが
ハンターズは10年前の提案に応える準備に入ります。
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半分、白い

2019年10月11日 | 研究
今年の研究が一段落したメンバーが栽培装置を水洗いしています。
水耕栽培の簡易装置ですが、ちょっと変わった形をしています。
実はこの装置、水耕栽培の中でも水気耕という栽培用のもの。
普通の装置は養液を貯めた水槽に作物を浮かべて栽培しますが
この装置は違います。6角形の真ん中にある白い部分から、
養液がシャワーのように周囲の植物の根に噴射するのです。
つまり根は水に浸ることはないため根腐れが起きにくいのです。
根が空気にいっぱい触れることから水気耕栽培、
エアロポニック栽培といわれています。
この装置はフローラの置き土産ですがなかなか重宝しています。
この研究を担当した女子メンバーは、土耕と通常の水耕、
そしてこの水気耕の3つの方法で生育状況を比較しました。
もちろん期待していたのは水気耕。
ところが大失敗。根腐れを起こしてしまいました。
でも不思議なことに通常の水耕栽培は今も正常に生育しています。
いろいろ考えたところ、理由が見えてきました。
水気耕は根に養液がシャワー状に噴射されるので
エアレーションは必要ありません。
ところが普通の水耕栽培では酸素不足になりやすいので
金魚のポンプで空気を送りました。したがってここまでは問題ありません。
大きな違いはクーラーの有無でした。
小型の水耕栽培装置は太陽の熱ですぐ温水になるので
クーラーを取り付け20度前後に保ったのです。
しかし水気耕栽培ではシャワー状にかかるのだから
特に冷やすことはないだろうと思い、クーラーをつけなかったのです。
今年の夏は青森県でも猛暑。おそらく温水シャワーとなり
根腐れを起こしたと考えられます。
フローラが失敗した研究に再挑戦しているハンターズですが
またまた失敗してしまいました。
とはいってもクーラーを設置した装置では大成功。
全滅したフローラよりは、ちょっとですが進歩しました。
半分は白星、半分は黒星。
来年はハンターズ最後の年。
リベンジに挑戦するつもりです。
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