花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

なぜか女性

2019年10月16日 | 研究
こちらは2019年、今年の薬草栽培。
ハンターズの紅一点が担当しています。
薬草の名前はカノコソウといいます。
期待した水気耕栽培では思わぬ失敗をしてしまいましたが
難しいと思われていた通常の水耕栽培区が順調に育ち
まもなく収穫となりそうです。
勝因はクーラーとエアレーション。
ちょっとした工夫で猛暑を乗り越えられました。
おそらくカノコソウの水耕栽培は世界に例のないことだと思います。
カノコソウは日本では冷涼な北海道が産地です。
北海道の栽培マニュアルをみると
欠点として根の洗浄に手間がかかることが挙げられています。
漢方薬として利用されるのは根の部分。
したがってきれいに洗浄しなければ口に入れられないのだそうです。
ところが彼女が行なった水耕栽培ではそもそも土を使いません。
ちゃんと根が収穫できれば、かなりの労力が軽減されます。
果たして期待に応えてくれるのか楽しみです。
さて今まで環境班はいろいろな薬草栽培に挑戦してきましたが
いずれも担当者は女子メンバー。
面白いことに、その多くがイライラなど女性の更年期障害に効くという薬草です。
女性が担当するのはまったくの偶然で、深い意味などはありません。
もちろん彼女たちは更年期障害とは無縁。
したがって大人になった時に、
初めてこの研究の本当の意義がわかるかもしれません。
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逃した魚は大きい

2019年10月16日 | 研究
ハンターズの全身であるチームフローラフォトニクスでは
何度か薬草の研究にチャレンジしたことがあります。
しかしなかなか上手くいかず、満足した結果はまだ得られていません。
もし最も成功に近づいた研究をあげろといわれたら
染料としても有名な紫と答えるでしょう。
そもそもこの南部地域は南部紫と呼ばれる品質の良い染料の生産地。
今は合成染料で安価に染められますが
やはり本物を愛する人々は高価な紫根染めを今も好みます。
そんな紫は皮膚病の優れた漢方薬にもなります。
しかし紫も他の薬草と同じで、ほとんどは中国からの輸入品。
安定して使用するにも国内栽培が求められています。
そこで2016年から2年間、フローラの女子メンバーが
この紫の水耕栽培に挑戦したのです。
栽培して約半年、根を取り出して
水の入った容器に入れたものがこのガラス瓶です。
左は従来の土耕栽培。根はそれほど多くありませんが
きれいな紫色の色素が水を染めています。
右の2つは水耕栽培。予測した通り、
根の生育が圧倒的に良いのがわかります。
ところが色がつきません。実は紫の色素は水溶性。
つまり彼女たちが育てている水耕栽培の養液に染み出してしまい
収穫した時はきれいすっかり色素がなくなっていたようです。
話を聞いてみると、管理のため養液を取りかえる際、
いつもきれいなピンク色になっていたというのです。
まさしく勉強不足。そう簡単に女神フローラは微笑んでくれませんでした。
水耕栽培で根を大きく育てることには成功したのに色素がない。
逃した魚は大きい。いいところまで追い詰めたのに残念です。
何かいいアイデアはありませんかね。
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