順風ESSAYS

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Will You Be There / マイケル・ジャクソン

2009年06月27日 | ミュージック
Michael Jackson - Will you be there (subtitulado)


マイケル・ジャクソンの訃報には、全世界で大きな反響が生じている。私は中学生のとき、姉からカセットテープに録音したアルバム"Dangerous"を貰って聴き、その圧倒的なクオリティの高さに大いに引き込まれた。何度も聴いたせいか、カセットテープは中の金具が外れて読みとれなくなってしまった。中でもゴスペル調の曲の迫力は圧巻であり、上に挙げた"Will You Be There"そしてそれに続く"Keep The Faith"が特にお気に入りだった。

"Will You Be There"は歌詞も琴線に触れる素晴らしいものだ。特に次のフレーズが好きだ。

But they told me
A man should be faithfull
And walk when not able
And fight 'til the end
But I'm only human

「強い個人でなくてはならない」「人格を確立しなければならない」「男たるもの身を立てなければならない」若い頃の自分はこういうことが当たり前だと思っていて、自分には何が足りない、今までの行動のどこが間違っていた、これから失敗しないだろうか、いつまでたっても自信がつかない等々模索と不安の日々が続いた。そんなとき、「僕は人間だ、弱いんだ」と正面から告白するこの歌詞は、文脈は違えど、胸に突き刺さるものがあった。

上の映像はMTVでのライブを基本に一部編集したもので、その場にいた人はおそらく一生心に残るであろう、荘厳で妥協のない舞台である。数年前最初にこの動画をみたとき、この瞬間に立ち会えることができたら、と惜しく思ったものだ。

【参考】この曲についての詳細・歌詞の日本語訳等はこのページがおすすめです。
【7月23日追記】Keep The Faithのリンク先を変更し、リンク切れに対応しました。


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ソーシャルブックマークの将来

2009年06月27日 | 時事
ソーシャルブックマークとは

ソーシャルブックマークは、オンライン上にwebページをブックマークできるサービスである。これを使えば、パソコンを複数台使い分けている場合にデータを移す必要がなくなる。また、何をブックマークしたか公開し、それが集計されることにより、いま何が注目を浴びているのかがわかる。ネットサーフィンの入り口としても機能することになる。さらに、ブックマークした人が簡単なコメントを残すことで読者の反応や議論の喚起にもつながる。様々な可能性を秘めたサービスである。

gooブログでも先日、各記事に各サービスに簡単にブックマークできるようなボタンが配置された。ソーシャルブックマークは、萌芽期を超え、ウェブサービスの1ジャンルとして確立してきた感がある。日本の代表的なサービスとして、はてなブックマーク、newsing、Yahoo!ブックマーク、gooブックマーク等がある。このうち、はてなブックマークが最も利用者が多く盛り上がっており、他のサービスは未だ独自の文化を形成するには至っていないように見える。

日本のウェブ言論は質が低い?

少し脇道にそれるが、日本のウェブ言論は質が低い、という主張をよくきく。何が「質が高い」かという議論は措いておくが、よく槍玉に挙げられるのは、はてなブックマークのコメント、Yahooニュースのコメント、2ちゃんねるである。しかし、これらはある話題について狭いスペースで即時的に簡単につけたコメントであり、「言論」の代表としてみること自体に問題があるだろう。youtubeの英語コメントでも日本関係は第二次大戦の話題が脈絡なく出てきて、外国でも大して質は高いとは言えない。

したがってニュースサイトやブログをウェブ言論の中心としてみるべきであるが、ブログはスパムも多いしミニブログ的な使われ方をしているので、しっかりとした立論のブログ記事に検索でたどり着くことが難しい。ソーシャルブックマークは質の高い記事を拾い上げる機能をもっているが、未だ十分とは言えないだろう。はてなブックマークでは質の高い記事が上位にも上がってくるが(例えば、この記事は素晴らしいと思う)、newsingでは、運営自らが低俗なネタばかりが上位にランキングされてしまうと嘆いている(参照)。

投稿をオープンにする以上、大衆的な話題が上位に来るのは避けては通れない。視聴率を競う民放のテレビが大衆的な番組に帰着するのと同じである。政治や専門の話題は限られた人としかしないが、こんにゃく娘などの笑い話はどんな人でも雑談など人間関係の潤滑油として用いることができる。日本に来たイギリス人の本で、「最初日本のテレビの質の低さに辟易していたが、何のことはない、数年後イギリスでもテレビが大衆化した結果同じようになった」という一節があった。はてなブックマークは黎明期の理系大学生の文化が残っているために、オープンのままでも一定のレベルの記事が好まれることになると推測される。

オフィシャルブックマーカーという可能性

頑張って書かれた質の高い記事が拾い上げられず、またはネタに埋もれてばっかりでは、頑張って書こうという動機が削がれる危険性がある。この点は、ソーシャルブックマークに少し工夫をすることで改善できるのではないかと思う。第一の工夫は、カテゴリ分けで、専門的な話題について独立したランキングをつくることで多くの人の目に触れる機会が得られる。はてなブックマークが最近リニューアルして導入しており、成果が上がっているように思う。

第二の工夫は、ピックアップ者の制限である。信頼できるピックアップ者のみでランキングを構成する、というものだ。2ちゃんねるでもいわゆる「糞スレ」を排除するためにスレッドを立てる権限に制限を課しているところもある。gooラボ内のgooソーシャルニュースは信頼できる特定のブログの記事しかピックアップされない仕組みを採用した。しかし、参加するブログが多数にならない限り気に入ったブログのRSSを登録したほうが使いやすいので定着しないであろう。それに、ピックアップ者の制限となるとソーシャルブックマークの本来の機能と対立する可能性がある。

そこで注目できるのは、gooブックマークの「目利きさん」の項目である。優れたブックマークをしている人へのリンクがトップページに表示されている。これを応用して、ある人が法律なら法律分野の専門的な話題について質の高い記事を探してブックマークをし、そのブックマークを参考に他の人がブックマークをつけていき、ブックマーク数順に並ぶようにする、という仕組みを作ってはどうか(○○さんの公開ブックマークで新着順と人気順のページを作る)。また、「このカテゴリの専門ブックマーカー」へのリンクを目に付くところに表示して誘導する。

そして、著名なブックマーカーに取り上げられると多くの人が見て多数のブックマークが集まり、上位に表示されやすくなるというサイクルが機能すれば、それを目指して記事を書く人が増えるであろうし、自薦や他薦の情報がブックマーカーに集まることになる。可能ならば、ブックマーカーがピックアップした理由と読解のために必要な知識や簡単な解説をコメントで付け加えるとよいだろう。このようなサイクルの結果として、ウェブ全体のコンテンツの充実度を上げ、ウェブ言論の向上につなげることができないだろうか。

はてなブックマークでは既にアルファブックマーカーと呼ばれる有名ブックマーカーが存在し、少なくない人が自分の感覚に合うアルファブックマーカーのRSSをもとに情報収集をしているという。もっとも、アルファブックマーカーへの記事の推薦といったサイクルは生まれていないようである。はてなのように既に多数の参加者と熱心なブックマーカーを集めているところは十分であろうが、後発のサービスや軌道修正をしたいサービスは、オフィシャルでブックマーカーを設けて、たくさん質の高い記事をブックマークをしてもらって、ネットサーフィンの入り口として有用であることをアピールしたらどうだろうか。

根本は「ボランティアの限界」

では、これが機能するにはどのような条件が必要だろうか。人材としては、まずは有名人がとっつきやすい。いわゆる高学歴難民、高い学位を得ておきながらマッチする仕事がない人たちも有望である。他には、メディア不況の下で提供先がなくなったジャーナリストやライターも有望であろう。前者は専門知識に基づいた判断ができ、後者は取材力や解説力が高いという特徴がある。

もっとも、この人たちの参加が実現し、さらに継続的に機能させるためには、(1)見合う報酬が得られること、(2)作業への社会的評価が高まること、が必要であると考えられる。これらはブックマーク作業だけではなく質の高い記事を書くインセンティブを高めるためにも重要な条件であるが、未だ確立しているとは言い難い。ボランティアでは、公平性の点では望ましいかもしれないが、やはり生活の糧を得る活動に劣後してしまい継続性が損なわれてしまう。

(1)については、最初はソーシャルブックマークサービスを提供している会社が支払う仕組みをとることになる。収益との釣り合いがとれるかという点では大きな疑問があるだろう。(2)については、ネットでは他人が作った記事を集めて紹介するだけのブログは批判されがちであるが、法学では裁判所が書いた判例を体系だてて並べただけの本も結構高額な値段で出版されているように、既存の情報を編集する作業はもっと評価されていい。ブックマーカー自身が、作業の中で根気強くブログ検索を続けて得た注目ニュースへの世間の反応を整理してまとめた記事を作ってもいいかもしれない。

次に信頼性の確保であるが、既に信頼されるブログを運営している人ならばネット上の人格で参加してもよいだろうが、そうでない場合は経歴等を明かし専門分野への知見があることを示さなければならないだろう。したがって、プロフィールページを作り、情報窓口とともに表示する必要があるだろう。ネット上の活動への社会の理解は未だ進んでいるとは言えず、匿名の排除はネックになるかもしれない。

ということで難点だらけであるが、自宅で勉強とネットサーフィンを続けて、その活動が言論の向上と社会の発展につながる、実生活との両立もできる。これが現実になったら、どんなに素晴らしいことだろう。


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