特殊狭軌(ナローゲージ)と呼ばれる狭い線路幅を用いる鉄道。
一般の旅客が利用する普通鉄道で現存するのは四日市あすなろう鉄道・三岐鉄道と黒部峡谷鉄道の3社だそうです。
そしてその3社中、2社はかつては近鉄の路線だったのです。
若い頃の私にとってナローゲージの電車なんて気にも留めない存在でしたがこの歳になると
趣味嗜好も少しづつ変化するのでしょうか?
前回の記事で“楽”の初乗車を紹介しましたがその乗車後は名古屋に移動。
翌日、かつて近鉄の内部・八王子線だった四日市あすなろう鉄道の初乗車を果たしました。
近鉄四日市駅の改札を抜けて連絡通路を歩き、程なく階段を降りるとあすなろう四日市駅の改札です。
湯の山線高架下に1面2線のホームには小さな青と白の電車が止まっていました。
四日市あすなろう鉄道 260系
おおっ!これがナローゲージの電車・・・小さい!、そして線路の幅も狭い!
何と可愛らしい車体なんでしょうか。
260系の車体の幅は2,106 mm。
普通の路線バスの幅が2,300~2,500mmらしいのでそれよりも狭いのですね。
そう言えばシートの形状も路線バスに似た感じです。
あすなろう四日市駅を発車。
耳を澄ましてもモーター音が聞こえません。
台車がレールのジョイントを踏む音と小刻みに車体から発する振動音だけです。
確か釣り掛け駆動のあのモーター音が聞けると期待していたのですが・・・
後で調べて見ると電動車は四日市方の1両で今乗っている内部方の先頭車は制御車だったのです。
モーター音は復路で楽しむ事にしました。
最高運転速度は45km/hだそうですがそれにしても良く揺れますね(笑)。
まあ、僅か762mmの線路幅で短尺レール。そして木の枕木という事でこの乗り心地なんですが
それが何とも味わい深くて良いです。
八王子線との分岐駅、日永。
西日野からやって来た緑の260系と交換。
内外装とも比較的綺麗で近代的な佇まいなので意外だったのですが近鉄から移管後に
冷房化を含む大規模なリニューアルを行なったそうです。
その結果が・・・
鉄道友の会の2016年ローレル賞を受賞しているのですね~!
因みに付随の中間車は新造で両先頭車は車体更新なんですが合せて受賞という事の様です。
あすなろう四日市からおよそ16分で終着の内部に到着です。
僅か5.7kmの距離でしたがのんびり走ったので実際の時間よりも長く乗った気がしました。
因みに運賃は270円ですが今回はお得な1dayフリーきっぷ(550円)を購入しました。
駅構内に隣接して車庫が有りますね。
改札を出て少し見てみましょうか。
作業されている人が出てこられたので一枚撮影。
人との対比で車体の小ささがこれで良く分かると思います。
内部駅の駅舎。
左側のイラストはトリックアートとなっています。
どの様な感じか?それは是非現地に訪れて体験して下さい。
因みにあすなろう四日市駅にもまた違ったトリックアートが掲出されていますのでそちらもどうぞ!
再び改札口をくぐり抜けて折り返しのあすなろう四日市行きに乗車しました。
帰路は勿論!モーターを備えるモ260に乗車です。
最高で45km/hの速度ですので釣り掛け駆動とは言えあの独特の唸り音は控えめですが
それを知る世代の者がこれを聞けば感涙ものです。
モーター音とナローゲージの揺れに身を任せて僅かな時間ですが先程通り過ぎた日永駅で下車です。
ここで八王子線・西日野を目指します。
と言いながら西日野は次駅でたったの1.3kmしか有りません。
この日永駅ですがホームにはこんなモノが・・・
標準軌(1435mm)・狭軌(1067mm)・ナローゲージ(762mm)の違いが詳しく分かる解説と
実際の軌間の違いが分かるように線路と車輪が展示されています。
これは鉄チャンでなくても分かり易い展示だと思います。
西日野行きがやって来ました。
あすなろう四日市~西日野間、僅か距離3.1km・所要時間約8分。
やっとまとも?な編成写真が撮れたかな?
乗りが優先な鉄分補給ではこういった写真を時間的な問題で撮れない事が多いです。
ひと駅で西日野に到着。
記録写真だけ撮って折り返しにすぐ乗車します。
初のナローゲージを味わってあすなろう四日市に戻って来ました。
この駅にも先程紹介したトリックアートやナローゲージの説明も有ります。
こうして“楽”に続いてナローゲージも体験出来ました。
またいつか、この近くを走る同じく元近鉄だった三岐鉄道の北勢線の電車も体験したいと思います。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
《以降はおまけ記事です》
個人的に近鉄線の未乗区間はこの日(5/16)現在、湯の山線のみとなっていました。
(近鉄関連のロープウェイ・ケーブルカー除く)
という事で近鉄線完乗を果たす為に近鉄四日市から湯の山温泉に向かいます。
湯の山線。
近鉄四日市~湯の山温泉間、15.4km。
かつては特急も乗り入れしていましたが今はワンマン列車が運行される路線です。
ヘッドマークを備える湯の山線の車両。
乗っている限り近鉄の他のローカル・ワンマン車両運行路線と同じイメージで
特段、ここで記す程の面白さが無いと言うのが正直な感想でした。
ここまで来たぞ!乗ったぞ!という記録写真だけですぐ折り返すのは残念ですが毎回こんな感じなんです(笑)。
これで近鉄線の全線完乗を達成しました。
特に感動も感慨にふける事も有りませんので慌ただしく折り返しの四日市行きに飛び乗りました。
四日市乗り換えで名古屋に向かいます。
私の近鉄乗車の玄関口となるのは京都となります。
伊勢中川か大和八木乗り換えで京都へ戻るか?
取り敢えず大阪難波・上本町に戻るか?
思案しながら出した答えは“ひのとり”で取り敢えず大阪へ向かう!でした。
近鉄名古屋→大阪難波をチケレスで押さえてあるモノを買う為に売店に急ぎます!
ブルーリボン賞ラッピング車、6連の編成がやって来ました!
買ったのはこれ!
以前から目にしていたのですが食事時間帯に乗車する事が無かったので買う機会が無かったのですが
今回は昼食を逃していたのでこれでお腹を満たそうと思いました。
正直、可も無く不可も無くお値段なりのお弁当でしたがこんなのが有るだけでも乗車時に買えば
テンションは上がりますよね。
お腹を満たし少量のアルコールが入れば後は後ろに気兼ね無くリクライニングシートを倒して
靴を脱いでフットレストに足を預ければ安楽な睡眠時間の始まりです!
2時間少々の快適な乗車を終えて大阪難波到着!
さあ、ここからどうしようかと時刻表を見ると程無く奈良行きの“ひのとり”が来るみたいです。
時間的に先程名古屋から来た折り返し運用の様です。
ここから大和西大寺まで28分ですが先程のレギュラーとの比較を今日も味わう為に
プレミアムをゲット!
大阪難波を静かに発車、夕刻の時間帯、布施付近まで大阪線の通勤車両としばし並走。
石切付近の上り勾配を駆け抜ける頃、左手には東大阪の街並みが広がります。
プレミアムシートの30分弱なんてアッという間ですね。
大和西大寺到着のアナウンスが流れます。
ここからは京都行き特急に乗り換えです。
やって来たのは22000系ACE。
シートピッチはやや不足するもののゆりかご式シートに換装されてからは座り心地アップ!
ただ“ひのとり”のレギュラー・プレミアムの後では少々分が悪いか(汗)?
しかし京都までは30分なので十二分に安楽です。
僅かに夕日が染まる京都。
東寺の五重の塔を左手に見ると京都到着です。
“楽”にナローゲージ電車。
そしてひのとりを含む種々の近鉄電車による乗り鉄鉄分補給を堪能した私の連休はこうして幕を閉じました。
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