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ツタウルシ・2~雄花序1

 鑓水“絹の道”で見られる「ツタウルシ(蔦漆)」。ウルシ科ウルシ属のつる性落葉木本で雌雄異株。蔓に気根を出して他の樹木の幹を這い上がり4~5月に葉腋から総状花序を出す。写真は雄花序でひとつの花の直径は4~5ミリ。花弁は5枚で反り返り雄蕊が5本ある。
 さてここは“絹の道”最高地点の鑓水峠付近だが、『幻の古代都市トロイ』を発掘したドイツの考古学者シュリーマン(1822~1890)が幕末に日本を訪れこの地まで足を伸ばしていた。1864年、富を得た42歳のシュリーマンは世界旅行に出発し、エジプト、インド、清朝末期の中国などを経て1865年6月に横浜に到着した。自著“シュリーマン旅行記”では八王子について『高い丘の頂からの眺めはよりいっそう素晴らしいものだった。10マイル(約16キロ)ほど彼方に高い山々をいただいた広大な渓谷が望まれる。』と記している。郷土史研究家らによるとそこは、江戸、明治に掛けて市の中心部から峠を経て横浜まで絹製品を運んだこの“絹の道”だったと考えられている。鑓水峠から北を見ると今の八王子市の中心が見下ろせ遠くには高尾山系、奥多摩、秩父の山々が連なっている。私は高校時代に世界史にはまり、シュリーマンのトロイ遺跡発掘やシャンポリオンのロゼッタストーン解読などの史実を知った。大学受験で世界史の猛勉強をした後は趣味で世界史関連の本を読むくらいだが、ここでシュリーマンと繋がったのは大きな驚きとともに喜びだ。
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ワカシュウスミレ・2~無毛

 奥高尾の登山道に咲く「ワカシュウスミレ(若衆菫)」。スミレ科スミレ属の多年草でスミレの変種。スミレの側弁の基部に毛が密生するのに対して本種は無毛になる。去年、ここで初めて見たが今年も数輪咲いていた。
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アミガサタケ

 東中野公園の道端で見つけた「アミガサタケ(編笠茸)」。アミガサタケ科アミガサタケ属のキノコで背丈は10センチほど。フランスでは高級食材として珍重される“モリーユ(morille) ”で乾燥させると良い香りがするらしい。
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ナツトウダイ・2~片倉城跡公園

 トウダイグサ科トウダイグサ属の「ナツトウダイ(夏燈台)」。夏の名が付くが花期は4~5月でクワガタムシの角のような4つの腺体の中心に雄花がある。雌花は受粉すると柄を伸ばし腺体の外側に膨らんできた子房を垂らす。これは片倉城跡公園のもの。
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ヤマブキソウ

 ケシ科ヤマブキソウ属の「ヤマブキソウ(山吹草)」。鮮やかな黄色がバラ科のヤマブキに似ていることから名付けられているがヤマブキは落葉低木で本種は多年草になる。4枚の花弁の長さは3センチほどで花が開くと直径5~6センチになる。花期は4~5月でここ片倉城跡公園“奥の沢”では斜面一面にヤマブキソウが拡がる。
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ギンリョウソウ・2~開花

 鑓水の林縁で咲き始めた「ギンリョウソウ(銀竜草)」。ツツジ科(←イチヤクソウ科)ギンリョウソウ属の多年性菌従属栄養植物で葉緑素を持たず外生菌根菌(他の植物の根と共生するカビの一種)を分解して栄養供給を受けている。秋に開花するシャクジョウソウ属のアキノギンリョウソウと姿は良く似ているが、本種の果実は液果になりアキノギンリョウソウは蒴果になる。
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シキミ・1~開花

 鑓水の道端で見掛けた「シキミ(樒)」。マツブサ科(←シキミ科)シキミ属の常緑小高木で、花や果実だけでなく茎や根にも毒がある。昔、土葬をしていた時代には墓地が狼や犬や小動物に荒らされるのを防ぐために植えられ今でも寺や墓地で見ることが多い。花径は3~3.5センチで花被片は15枚程度ある。今、新型コロナウイルスのワクチン開発が進んでいるが、現在使われている抗インフルエンザ薬“タミフル”は近縁種のトウシキミ(八角)から抽出されるシキミ酸が原料のひとつになる。
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アカフタチツボスミレ・3~長沼公園

 長沼公園“野猿の尾根道”で見つけた「アカフタチツボスミレ(赤斑立坪菫)」。スミレ科スミレ属の多年草でタチツボスミレの変種。ハート形の葉に赤い斑が入るのが特徴になる。去年は高尾山の富士道や5号路などで良く見掛けたが、長沼公園では初めて見た。
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ミヤマキケマン・1~奥高尾

 奥高尾“日影林道”に咲く「ミヤマキケマン(深山黄華鬘)」。ケシ科キケマン属の越年草で草丈は20~30センチ。茎先に7~8センチの総状花序を付け長さ1.5~2センチの黄色い長細い花を多数咲かせる。深山の名が付くが近畿地方以東の山地で普通に見られる。
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セイヨウバクチノキ・1〜開花

 バラ科バクチノキ属の「セイヨウバクチノキ(西洋博打の木)」。ヨーロッパ南部~西アジア原産の常緑小高木で樹高は5~6メートル。当地では数ヶ所に植栽されているが今まで花を見たことが無かった。花期は4~5月でウワミズザクラのような穂状の花序を出して小さな花をたくさん咲かせる。“博打”とは奇妙な命名だが在来種のバクチノキの樹皮が剥がれ易く、博打打ちが勝負に負けて着ぐるみ脱がされる姿に見立てている。本種の樹皮はバクチノキのようには剥がれない。常緑の葉はタラヨウなどと同じく葉の裏に字を書くと表に黒く浮き出てくる。ちなみにバクチノキの花期は9月頃になる。これは多摩森林科学園のもの。
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