岐阜の画廊 文錦堂

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☆私の一押し作品《優美な彩・・・茶碗編》☆

2013-06-22 12:11:16 | 工芸
皆さん、こんにちは。

今日の岐阜は、久々に太陽が顔を覗かせる快晴の1日となりました。 

さて、早いもので先週末から開催致しております「九谷毛筆細字 四代 田村 星都 作陶展」 【 ~23日()】も、残すところ今日明日の2日間となりました。
是非、今週末は誰にも真似出来ない技術を手に、毛筆細字によって新境地を開く星都さんの新作群をご高覧下さいますようご案内申し上げます。

 星都さんも在廊されてますよ!!

では、今日も「私の一押し作品!!」と題して、現在開催中の「九谷毛筆細字 四代 田村 星都 作陶展」から選りすぐりの作品をご紹介していきたいと思います。

今日ご紹介する作品は、自ら轆轤を挽かれた茶碗です。

先ずは、源氏物語「須磨の巻」に出てくる歌詞が描かれた



   

 田村 星都 作 「細字和歌色絵茶碗」 H 7.3×D14.0cm・・・・・¥73,500-

「 恋ひわびて 泣く音にまがふ 浦波は 思ふ方より 風や吹くらむ」
訳:恋いわびて泣くわが泣き声に交じって波音が聞こえてくるが、それは恋い慕っている都の方から風が吹くからであろうか。

「 見るほどぞ しばし慰む めぐりあはむ 月の都は 遥かなれども」
訳:見ている間は暫くの間だが心慰められる、また廻り逢える。月の都は、遥か遠くであるが・・・。

続いて、白い磁土の器肌に金彩と萬葉集で詠われた恋歌が描かれた



   

 田村 星都 作 「細字萬葉集筒茶碗」 H 9.2×D11.2cm・・・・・(売約済

「去年(こぞ)の春 逢へりし君に 恋ひにてし 桜の花は 迎へけらしも」
訳: 去年の春にお会いしたあなたのことが恋しくて、桜の花が咲いて迎えているようですね。

「秋山に 落つる黄葉( もみぢば ) しましくはな 散り乱( みだ )れそ  妹( いも) があたり見む」
訳:秋山に落ちる紅葉よ、しばらくは散らないで。妻が居る方をもう少し見ていたいから。


 初卸の一服。 茶映りも良く美味でした!! 

ラストを飾る明日の「私の一押し作品!!」は、「香炉・壺編」をご紹介致します。乞うご期待!!
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☆私の一押し作品《切ない恋の歌・・・香合編》☆

2013-06-21 17:10:15 | 工芸
皆さん、こんにちは。

今日の岐阜も、台風の影響もあって朝からが止むことなく降り続いています。
ここ数日やっと梅雨らしい天候となったお陰で、猛暑からは解放されて助かっています。

さて、早いもので先週末から開催致しております「九谷毛筆細字 四代 田村 星都 作陶展」 【 ~23日()】も、今日を入れて残すところあと3日間となりました。
是非、今週末は誰にも真似出来ない技術を手に、毛筆細字によって新境地を開く星都さんの新作群をご高覧下さいますようご案内申し上げます。
星都さんも在廊されますよ!!

では、今日も「私の一押し作品!!」と題して、現在開催中の「九谷毛筆細字 四代 田村 星都 作陶展」から選りすぐりの作品をご紹介していきたいと思います。

今日ご紹介する作品は、いまや星都さんの代表作の一つとなった、「細字恋歌うみうし香合」です。
なんでも、切ない恋の歌のイメージに合う生き物を探していて、うみうしを選ばれたそうです・・・。

三十六歌仙の一人で、平安時代を代表する歌人 和泉式部(いずみしきぶ)が詠った切ない恋歌が描かれた



   田村 星都 作 「細字恋歌うみうし香合」 H 3.2×D 8.0cm・・・・・(売約済



   田村 星都 作 「細字恋歌うみうし香合」 H 2.8×D 5.0cm・・・・・(売約済

「いかにして いかにこの世に あり経ばか しばしもものを 思はざるべき」
訳: どうすればいいんでしょう、どういうふにこの世を生きていれば少しのあいだでももの思いをしないで過ごすことができるのでしょうか。

明日の「私の一押し作品!!」は、「茶碗編」をご紹介致します。乞うご期待!!
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☆私の一押し作品《風雅な百人一首・・・酒器編(2)》☆

2013-06-20 16:53:52 | 工芸
皆さん、こんにちは。

今日の岐阜も、朝からが降りしきるあいにくの天気となっています。 

さて、今週初めからご紹介致しております「私の一押し作品!!」
今日も現在開催中の「九谷毛筆細字 四代 田村 星都 作陶展」 【 ~23日()】 の出展作品の中から、選りすぐりの酒器をご紹介していきます。
今回は、古来よりもっとも広く親しまれてきた《古典》であり、日本人らしい美意識の原点とも考えられる『百人一首』を題材とされた意欲作です。
歌詞の情景を思い浮かべて描かれたその風雅な文様は、まるで絵巻物を見るような美しさです・・・。

先ずは、山部赤人(やまべのあかひと)が詠い、誰でも一度は聞いたことのある有名な歌詞が描かれた



   田村 星都 作 「細字百人一首かるた盃」 H 3.3×D 9.4cm・・・・・(売約済

 「田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ」

訳: 田子の浦に出て眺望がひらけると、真っ白な富士の高嶺に、雪は降り積もっていた。

続いて、三十六歌仙の一人、凡河内躬恒 (おほしかふちのみつね)が詠った



  

   田村 星都 作 「細字百人一首かるた盃」 H 2.9×D 9.6cm・・・・・(売約済

 「心あてに 折らばや折らむ 初霜の おきまどはせる 白菊の花 」

訳: 当て推量に、折れるものならば折ってみようか。一面に置いた初霜が見分け難くしている白菊の花を。

最後は、陽成院(陽成天皇)(ようぜいのいん)が詠った



  

   田村 星都 作 「細字百人一首かるた盃」 H 3.2×D 9.4cm・・・・・¥31,500-

 「つくばねの 峰よりおつる みなの川 こひぞつもりて 淵となりぬる」

訳: 筑波山の峰から流れ落ちる男女(みなの)川が、わずかな水がつもって深いふちとなっていくように、わたしの恋も、ひそやかな思いであったものがつもりつもって、このように深い思いになってしまった。

明日の「私の一押し作品!!」は、「香合編」をご紹介致します。乞うご期待!!
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☆私の一押し作品《歌詩の情景に想いを馳せながら酔う・・・酒器編(1)》☆

2013-06-19 09:27:25 | 工芸
皆さん、おはようございます。

今朝の岐阜は、朝からが降り続いています。
今日は、活発な梅雨前線の影響で全国的に激しいが降る恐れがあるそうです。 どうぞお気を付け下さい!!

さて、昨日からご紹介致しております「私の一押し作品!!」
今日も現在開催中の「九谷毛筆細字 四代 田村 星都 作陶展」 【 ~23日()】 の出展作品の中から、選りすぐった酒器をご紹介していきたいと思います。
器体に描かれた歌詩の情景に想いを馳せながら酒に酔うのも、これまた一興ではないでしょうか・・・。

先ずは、古今和歌集賀歌(がのうた)の先頭にあり、他の歌と共に、我が君の長寿を願って儀式で歌われ、国歌「君が代」の歌詞としても有名な



   田村 星都 作 「細字赤絵桜文杯」 H 8.7×D 5.2cm・・・・・¥18,900-

「わが君に 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで」
訳: 愛しいあなたよ。いつまでもいつもでも長生きして欲しいと心から願っています。 注)「君=あなたで解釈」

続いて、六歌仙の一人で三十六歌仙にも選ばれる僧正遍昭が詠った情熱的な恋歌が描かれた



   田村 星都 作 「細字雑歌盃」 H 4.7×D 6.2cm・・・・・(売約済

「天つ風 雲の通ひ路 吹きとぢよ をとめの姿 しばしとどめむ 」
訳: 天に吹き渡る風よ、もっと強く吹いて雲の中の天上への通り道を閉じ塞いでくれ。天女の美しいその姿をもうしばらく地上にとどめておきたいのだ。

最後は、磁土に施した上絵を叩いて古びた紙のような質感を出し、英字でマザーグース「スカロボーフェア」の歌を描いた



   田村 星都 作 「マザーグース高台杯」 H 5.4×D 6.0cm・・・・・(売約済

明日の「私の一押し作品!!」も、今日に引き続き「酒器編(2)」をご紹介致します。乞うご期待!!


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☆私の一押し作品《お洒落なカップ&ソーサー編》☆

2013-06-18 10:33:38 | 工芸
皆さん、おはようございます。

昨日は、名古屋美術倶楽部にて業者間による交換会の年に一度の大会があり、参加してきました。
夕方には終わるだろうと思っていましたが、さすがに大会ということもあって出品数も半端なく有り、朝から延々と競りが続いた為に帰りが遅くなってしまいブログの更新が出来ませんでした。大変失礼致しました。

本日18日(火)20:00~より、弊社ホームページ(http://www.bunkindo.com)でも出品作品を順次掲載させて頂く予定ですので、そちらの方でもお楽しみ下さい。

さて、今日から皆さんお待ちかねの「私の一押し作品!!」を、現在開催中の「九谷毛筆細字 四代 田村 星都 作陶展」 【 ~23日()】 の出展作品の中から、選りすぐってご紹介していきたいと思います。

先ず、ご紹介させて頂くのは小野小町が詠った和歌を枝に見立てて描かれた



   田村 星都 作 「細字鉄線文碗 」 H 5.5×D11.0cm・・・・・(売約済

 「色見えで 移ろふものは 世の中の 人の心の 花にぞありける」

訳: 色彩や形として見えるのではないけれども、(本物の花と同じように) あせていくものは、世の中の人の心という花でございますね。

続いて、少令史田氏肥人(しょうりょうしでんひのうまひと)が詠った恋歌が梅に描かれた



   田村 星都 作 「細字梅文碗」 H 7.5×D17.5cm・・・・・(売約済

 「梅の花 今盛りなり 百鳥の 声の恋(こほ)しき 春来たるらし」

訳: 梅の花は今盛りです。沢山の鳥の声が恋しい春が来たようです。

注意: 表記した作品寸法は、カップの寸法です。

毛筆細字四代 田村 星都 (たむら せいと)

1980年、石川県小松市生まれ 2004年、筑波大学国際総合学類卒業・毛筆細字三代 田村敬星に師事 2007年、石川県立九谷焼技術研修所実習科修了
2010年、石川県小松市に工房を構える 2011年、雅号を奈都子から星都へと改める 

現在、西部渋谷店や日本橋三越本店などで個展・グループ展を中心に活動する
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