老いのひまつぶし

東海地方に在住の80才の男性です。
日常の喜怒哀楽を綴って行きます。

”白旗の少女”

2015-08-13 10:13:21 | 日記
比嘉富子著 講談社発刊の文庫本です。
昨日まで東京に居る孫達が我が家へ来て居りました。宿題や自習勉強の教材をいっぱい持って・・・。

その中に中学1年の孫娘が読書感想文を書くと言う事で持って来たのがこの本”白旗の少女”です。

読書感想文を書き終えたので借りて読んでみました。

概略は米軍による沖縄本島上陸後の民間人を巻き込んだすざましい戦火の中を、当時6才の著者が砲弾の下を一人で逃げまどう話です。

戦後に開かれた沖縄戦の展示会で、写真に写った自分を見つけ撮影者を探す為アメリカに渡り、平和行進に参加しその写真のコピーをプラカードに掲げ撮影者を探してと訴えます。

その時は何の反応も無かったけど、後に日本のメディアや当時を知るアメリカ人の協力でカメラマンのヘッドリクソンさんに出会いました。

その写真は降伏を認めさせる白い旗を持った一人の少女、当時7才の松川富子さんを写して居ます。

5月31日に彼女は兄弟姉妹4人で首里から戦火を逃れ父を求めて南下します。

途中、兄を亡くし二人のお姉さんともはぐれて6月25日に助けられました。

その間の生き延びるための知恵や勇気に感激しました。そして沖縄戦の最後は生き延びるための日本兵と民間人の個々の戦いが在った事も知りました。

彼女が助かったのは、最後まで彼女が生きて家族と会うのだと言う気持ちがあったからです。

最近は自ら命を絶つ若者が多いのですが、この本を読めば自分がこの世に生を受けた意味と今の愚かさに気が付くと思います。

ぜひ、若い人に読んで頂きたい。

私は読書中に孫娘がちらちら私の涙を拭く姿や鼻を咬むのを見て居ましたが、恥ずかしいとは思はず読書後に「良い本を読んだね」と伝えました。