老いのひまつぶし

東海地方に在住の80才の男性です。
日常の喜怒哀楽を綴って行きます。

母と散歩に

2011-05-29 10:00:41 | 日記

一昨日よりこの地方も梅雨入り宣言がされまして、今日は朝から強い雨が降って居ります。
今日はディサービスも無く母は一日中在宅ですがこれでは散歩には連れ出せません。

昨秋まで杖を片手に家の近くを一人で散歩していた母(98才)が転んで指の骨折事故があってからは散歩を禁止させていました。
もともと外出好きな母はその間、自室やリビングのガラス戸越しに外を眺めて一人つぶやいて居りました。

指のギブスが取れてからは風の無い暖かな日には私が散歩に付添って居りました。
でも何故か付添う姿が人に見られるのが恥ずかしくて車に乗せ少し離れた場所まで出掛けて居ました。

そうしたある日、散歩中の母の脚がもつれたのか杖を突いてても前のめりに転びました。
傍に居た私は咄嗟に上着の背中を掴みましたがそれを防ぐ事が出来ませんでした。
幸い大した怪我も無くアゴを地面に擦りつけただけでした。老齢になるとそんな時は直ぐに手が出せないので顔まで地面に行くのですね。

その時、杖で歩行しても転倒する状況を見たので、翌日介護用品店へ相談に行き手押し車を選定してリース(月500円)することにしました。
両手で手押し車の取手部を掴んで居るので歩行は安定して居り、楽なため散歩の距離も少し長くなりました。

散歩の場所も家から出掛けるので近所の方に挨拶やら 「お元気だねぇ」と声を掛けられ母も嬉しそうに応えて居ます。
そんな母の姿を見ると自分の恥ずかしさも消えて最近では散歩の付添いも苦にならなくなりました。天気が良い日は朝食後から母が散歩に出たくて私の周りをうろついて居ります。

八橋かきつばた園へ

2011-05-21 23:00:45 | 日記

19日に知立市に在ります無量寿寺のかきつばたを見に名鉄電車で行って来ました。

この寺は奈良時代の創立と言われ平安時代の歌人「在原業平」がこの地を訪れ歌を詠んだ事で有名です。
らころも つつなれにし ましあれば るばるきぬる びをしぞおもう」と句頭にかきつばたの5文字が詠み込まれて居ます。

園内は20数年前に訪れた時と違って綺麗に整備され、コンクリート製の橋や在原業平像と歌碑が造って有りました。
かきつばたは花菖蒲と違って青紫一色の花ですが緑の葉と好くマッチしています。
その花景色を眺めながら、知立名物の小田巻を頂いて来ました。

後ろ髪を引かれる

2011-05-14 16:01:58 | 日記

先日、放射能被ばくの心配からやむなく非難されてる人達の中で、浪江町と川内村の方々が一時帰宅をされたニュースを見てまた涙しました。
地震の被害も差して無くただ原発からの放射能被害を恐れ闇雲に自宅を余儀なく離れた訳ですから、自宅に住みたいと言う気持ちは強く有りはずです。

到着した我が家や周辺の畑や景色を見て瞬間はほっとされたでしょう。そしてペットや家畜の姿に癒されたでしょうね。
でも、そんな心の余裕も差し迫る時間との競争で持ち帰る物の詮索と探し物が頭の中を駆け巡る
身の安全を第一に僅か2時間という制限の中で今必要とする物、これだけは手許に置きたい物を探し出し既定のビニール袋に詰める。

やがて町内放送からは「制限時間までは、あと30分」とあせる気持ちを更に追い立てる。
もう一度自宅や庭を見て、ペットや家畜に別れをする。これこそ本当に 「後ろ髪を引かれる思い」だったと思います。いつかきっとここが安全な場所となって元の生活に早く戻れる事を願わずにはおれません。



メナード美術館へ

2011-05-04 16:12:22 | 日記

日本画の吉田義彦・林 功両氏の特別展が開催されている小牧市のメナード美術館に行って来ました。
開催日(4月26日~6月19日)から日も浅く午前中でしたので来館者も少なくゆっくり見る事が出来ました。

吉田氏の 「袋田の滝」東京芸術大学所蔵・「富士月明」東京国立近代美術館所蔵が見られた。
林 氏の 「行雲」市川市所蔵・「漂着」茂原市立美術館所蔵が印象に残った。
「行雲」は表題が面白い、絵の中心に大きな庭石と土塀が描かれて居てその塀の上部(全体の四分の一)に白い雲の流れる様があった。

吉田氏の師匠である速水御舟氏の作品 「北野天神縁起絵巻・模写」個人所蔵も見られて好かったです。

林氏は何度も中国を訪問され中国の画法を研究中に交通事故に遭い若くして亡くなられた事も知りました。現存されて居たらきっとまた素敵な絵を描かれたのに惜しいです。

ゴールデンウィークを名所・観光地に出掛けるのもいいですが、美術館で絵と一緒に静かな時間を過ごすのもいいもんです。