猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

女は女である

2021-10-04 22:18:16 | 日記
1961年のフランス・イタリア合作映画「女は女である」。

書店に勤めるエミール(ジャン=クロード・ブリアリ)はキャバレーの踊り子
アンジェラ(アンナ・カリーナ)と一緒に暮らしている。ある日アンジェラが
突然、赤ちゃんが欲しいと言い出す。それも24時間以内に。2人は意見が
合わず、アンジェラは「それなら他の男に頼む」と言う。エミールは動揺す
るが、勝手にしろと答えてしまう。そこでアンジェラは、同じアパルトマン
に住むいつも自分にちょっかいを出してくるアルフレード(ジャン=ポール・
ベルモンド)に頼むと宣言する。

ジャン=リュック・ゴダール監督のコメディ映画。アンジェラは一緒に暮ら
している恋人のエミールがなかなか結婚しようとしないため、結婚するため
に赤ちゃんが欲しいと言い出す。エミールは一応その案に賛成はするが、ア
ンジェラの「じゃあ、結婚ね!」という言葉に「まだ妊娠してもいない」と
冷静に答える。では24時間以内に妊娠したいと言うアンジェラにエミール
は困惑する。そしてアンジェラは「あなたが嫌なら他の男に頼む」と言い出
し、エミールは承知せざるを得なくなってしまう。
あらすじをざっと書くととてもバカバカしい映画である。恋人と結婚したい
のはわかるが、恋人との子供でなくてもいいのだろうか。他の男との間に子
供を作って、そして結婚しようというのだろうか。それでもさして問題がな
さそうな会話に、これがフランス人の道徳観念?と笑ってしまう。エミール
はあまりにアンジェラが赤ちゃん赤ちゃん言うので腰が引けてしまい、2人
で街に出て、通りがかった紳士に「この子と寝てくれないか」などと声をか
け、「今は無理だ、忙しい」と断られたりする。フランス映画のセリフのお
もしろさは本当に絶妙。
彼らと同じアパルトマンに住んでいるアルフレードはしょっちゅうアンジェ
ラに声をかけていたが、アンジェラはいつもかわしていた。けれどもアンジ
ェラはこの際アルフレードでいいと思い、彼の誘いに乗り、ついに彼と寝て
しまう。とにかくユーモラスで粋な映画で、登場人物たちがいきなり画面の
方を向いて(観客に向けて)しゃべったりする。無意味な行動もたくさんある。
でもそれがおもしろいのだ。エミールとアンジェラがケンカをして、もう口
もききたくないとなり、お互い本の表紙に書いてある言葉で自分の心境を表
現し合うところなんか、なんてバカバカしいのだろうと思う。
アンナ・カリーナが赤いカーディガンのボタンを全部留めてセーターとして
着ていたのがかわいかった。他にも赤のチェックのスカートとかコートとか
髪型とか、60年代のファッションがとても魅力的。目の保養になる映画で
もある。ラストシーンもいいし、アンナ・カリーナのコケティッシュな魅力
が全開の映画だった。


良かったらこちらもどうぞ。ジャン=リュック・ゴダール監督作品です。
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コメント (4)
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