大脳皮質に木霊する

昨日、TVジャンクスポーツにて、ボクサーだったトミーズ雅さんが　辛いトレーニング№1は　仰向けになって、お腹の上に80キロのトレーナーが乗って、足踏みされる事、、、、
この痛さに比べれば、試合で受けるお腹へのパンチは　「痛くない！」、、と脳に覚え込ませるのだそう・・・
脳は　時間が経つと忘れるので、試合に近い日にするそうです。
そして、確かに試合中に受けるお腹のパンチは　全く痛みを感じないそうです。
今から 20数年前の事、、、感心してしまいました。
現在でこそ、脳の研究が進み、そのようなメカニズムが解明されましたが、その頃には　なんの裏付けがないにしろ、経験により、そのトレーニング法が生まれたのでしょうね。
私も 18才で本格的にウエートトレーニングを始めた頃、ボディビルダーのおっちゃんＳさんから　いろいろなアドバイスを得ました。
そして、のちに感動したのです。
ダンベルでアームカール（肘を曲げて伸ばす、上腕二頭筋：ちからこぶのトレーニング）をしている時・・・
「フィニッシュで肘をしっかり曲げたところで、小指を捻って、最後に肩関節で、もう一つ挙げるんや！、、」
と、教わりました。のちに、機能解剖学の本を開き、ビックリ！？　
上腕二頭筋の機能：肘屈曲　前椀回外　肩関節屈曲
おっちゃんＳさんの教えは　理論通りで、確かに上腕二頭筋の隅々に効きました。
おっちゃんは　機能解剖学の本など開いた事は　ありません。
トレーニングで培われた“感覚”です。それは　確かでした。
その確かな感覚で、おっちゃんは　還暦すぎても　ムッキムキ☆

高度な精神活動に関わる部位：大脳新皮質を発達させた人間は　様々な物をつくり、「技術」を進歩させました。
しかし、遠い祖先の道具作りや　おばあちゃんの知恵には、まだまだ本能・感覚を司る大脳辺縁系が影響が強く残っていたように思います。
健康ブームと騒がれ、次々と新しい商品が出たりして、どうなの？！と、頭で色々考えて、どんどんと大脳新皮質が余計に発達し、動物が行う基本の行動を司る脳の奥にある大脳辺縁系が　氾濫をおこして、感覚も麻痺しているかのように、いろいろな商品に手を出し、乗っかり、ブルブルブル！？！？

実際に今日、病院で指導を行っていても、頭であれこれ考え、大脳新皮質で痛いと感じている（錯覚に近い・・・）人が　多いです。
＊痛みのサイクル＊
大事だと感じたくなる痛み→怖がらない→痛みに立ち向かう→治る
一方・・・
大事だと感じたくなる痛み→動作や怪我を怖がる→痛みを避ける→その部分を使わなくなる、障害が発生する、うつ状態になる、さらに筋緊張が高まる

今日も　叫びました！？「何言うてるの～？！」「大丈夫！」「大した事ない！！」
「元気出していきましょ！！」
この言葉が　大脳新皮質に大きく木霊すればいいんだけど・・・。
犬や猫や動物は　傷をおっても、しっぽをチョン切られても、動いている、走っている・・・
そんな姿を見て、これぞ、動く生き物だと思います。
人間も　いらない物を捨てて、がんばろうよ！