私のネコ好きは、チエちゃんが物心ついた時、すでにネコを飼っていたことが大きな要因であるように思います。
ネコの名まえは〝みぃ〟。そのネコが死んで、新しくもらわれて来た子ネコの名まえも〝みぃ〟。チエちゃん家のネコの名は代々〝みぃ〟でした。
初代みぃは、長命なネコでした。チエちゃんが、小学校高学年になるまで生きました。トシ子おばさん(お父さんの妹)が、お嫁に行く前に撮ったという写真に、おばさんに抱かれたみぃが写っているのですから、チエちゃんが生まれる前から飼われていたことになります。
彼女は、お腹の辺りが所々白いブチのトラ猫でした。代表的な雑種の日本猫です。
みぃには、家畜と同じく、重大な役目がありました。
それは、ネズミを捕ること。
ネズミは、納屋に貯蔵してあるお米やいも類、その他の野菜、母屋の神棚のお供え、押入れの布団や衣類など何でもかんでも、かじってしまうのです。
あの頃、愛玩という目的だけで動物を飼っている家庭は、ほとんどなかったのではないでしょうか。
犬? 犬にも番犬という大切な任務がありました。
チエちゃん家では、犬を飼っていませんでしたから、泥棒よりネズミの被害の方が深刻だったのです。
後年、チエちゃんのお母さんが、こんな事を言いました。
ネコが家にいるといねじゃ、ネズミの出方が違うんだ
みぃとチエちゃんは、大の仲良しでした。
毎夜いっしょの布団で眠り、食事の時はチエちゃんのおかずを分けてもらい、チエちゃんの膝の上でいっしょにテレビを見ました。
みぃが眠ったふりをしながら、しっぽの先でチエちゃんを遊ばせることもあれば、チエちゃんがねこじゃらし(エノコログサのこと)でみぃをからかうこともありました。
みぃは、気高く、美しく、利口なネコでした。
そして、雄ネコたちにもモテモテでした。どんな風にモテたのかって?
そのお話は、またいつの日か!