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チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
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第87話 ひみつ基地

2007年07月07日 | チエちゃん
 皆さんには、ありませんでしたか?

 アニメ「ドラえもん」で、のび太くんたちがいつも遊んでいる土管の置いてある空き地、或いは学校の裏山のような場所。

チエちゃんにも、そんなひみつ基地がありました。

 サラシ川の中程にあるベッド岩もその一つでしたが、チエちゃんが通う小学校の敷地内にもひみつ基地は存在しました。

校舎北側の裏庭には、大きな池があり、ちょっとした庭園のようになっておりました。
池は深緑色に濁っていましたが、時折、イボガエルがポチャンと飛び込んだり、水面近くに上がってきた錦鯉が口をパクパクさせたりしていました。
給食の時、残したコッペパンをちぎって投げると、たちまちパクリと飲み込んでは姿を消したものです。

この池の真中に築山があり、ぐるりと巡ると、北側から築山へと続いていました。
築山にはもみじやつつじ、常緑樹が植え込んであり、季節ごとに楽しむことができました。

 この築山がチエちゃんのひみつ基地です。

ここは、何となくチエちゃんが落ち着ける場所だったのです。
ナオちゃんと来て、おままごとをする時もあれば、他の友達と鬼ごっこをする時もありましたが、ほとんどの場合は、チエちゃんが一人で放課後を過ごす時の大切な場所でした。

和光堂で少女マンガを買ってここで読んだり、家に帰るまで待ちきれずに学習の付録を開けてみたり、時折寝転んでは空想にふけったりできる学校中の誰もがその存在を知っているけれど、チエちゃんだけのひみつの場所だったのです。