チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
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第92話 ラジオ体操

2007年07月22日 | チエちゃん
小学生たるもの、夏休みといえども忙しい?
夏休み第1日目の早朝6:30から、毎日ラジオ体操が始まるのですから。

 チエちゃんは、寝ぼけ眼をこすり、顔を洗うのもそこそこに、ラジオ体操の集合場所、公民館へと急ぎます。
もう、みんな集まっています。
大きなラジオから、ラジオ体操第一が流れてきました。

 腕を前から上げて、背伸びの運動~

 イチ、二、サン、シ、・・・・・・・


体操が終わると、6年生の班長がカードにスタンプを押してくれました。
チエちゃんのラジオ体操カードに赤いスタンプが1コ輝いています。ヤッター!!

 ところが、このスタンプ毎年3コ以上増えることはなかったのです。
まさに、三日坊主もいいところでした。
どうして、長続きしなかったのでしょう? 
それは、チエちゃんは朝早く起きられなかったからです。

学校のある時には6時に起きていたのですから、起きられないはずはありませんが、休みはゆっくり寝ていたいと気が抜けてしまうことも原因の一つでした。
しかし、最も大きな原因は、夏休みの間中、チエちゃんは夜遅くまで起きていたからでした。

 チエちゃんは、元祖テレビっ子、夏休みは叱られることなく、夜遅いテレビ番組を観ることができたのです。普段なら、9時、遅くても10時には布団に入るのですが、夏休みということもあって、両親も大目に見てくれたのです。
 チエちゃんは、「七人の刑事」や長谷川一夫の「半七捕り物帖」などの刑事物、捕り物帖が大好きでした。これらを観ることができる夏休みを楽しみにしていたのです。

 夜が苦手のおじいちゃんは、野球中継やプロレスが終わると早々に寝てしまうし、農作業で朝の早いお父さんとお母さん、それに弟も、10時には休んでしまいます。
残っているのは、低血圧で朝が弱いおばあちゃんとチエちゃんの二人です。
夏の定番はお化け話、怖さに顔を両手で覆った指の隙間から観るテレビは、ラジオ体操をサボる後ろめたさより、止められない夏休みの楽しみでした。

こうして、宵っ張りの二人は朝早く起きることなど、到底出来なかったのでした。