あれは、弟がまだ2~3歳の頃でしょうか。
チエちゃん家では、夏になると、「カラヤ」と呼ばれていた納屋にハンモックを吊っていました。
カラヤは2室に分かれていて、北側には味噌桶や普段使わない厨房用品が収納してあり、南側は北側より少し広く、唐箕などの農機具、養蚕用の道具、米の貯蔵缶などが置いてありました。
その中央にハンモックを吊っていたのでした。
カラヤは、母屋の北側に位置していたので、真夏でも時折、涼やかな風が通り、お昼寝にはぴったりだったのです。
弟の専属子守係だった祖父は、孫をハンモックに乗せ、取り付けた紐を引っ張って揺らしながら寝かしつけていたのですが、いつも弟が眠るより早く、祖父の方が居眠りを始めるのでした。
弟がむずかる度に、「あ~、はい、はい・・・」と言っては紐を引っ張り、
こっくり、こっくり、・・・・「あ~、はい、はい」
その頃、チエちゃんはおばあちゃんとお部屋で、お昼寝をしてたのは言うまでもありません。
もちろん、私もハンモックに乗ってみたことがあります。
揺らすと、気持ちがよいものの、ギシギシと軋む音がするたびに、ロープが切れてしまったら、恐いなとも思っていました。
ですが、時折父も揺られていたので、それは取越し苦労というものだったでしょう。
画像は、フォトライブラリーからお借りしました。