プラチナ世代のマラソン旅行

時悠人chosan流処世術

●”はかなさもの”

2005-10-06 09:25:02 | 日記・エッセイ・コラム
 「人の一生とは何か?」との問いに、ある弟子は、「生まれてから死ぬまで」と答えた。師は黙って横を向いた。すると、次の弟子が「一日一生、すなわち、朝起きてから寝るまでの一日」と答えた。師は横を向いたまま無言。間をおいて、別の弟子が「一刻一刻、時を刻む時間です」と、自信満々に答えた。

 師は、三人の弟子の顔を見据えて、「人間は、吸う息、吐く息の一瞬一瞬を生きている」。人の命は、次の瞬間何が起きるか分からない”はかなきもの”だと説いた。これは、昨夜、隣人の通夜の席で拝聴した導師の説教の梗概。改めて、命の大切さを思い知らされた。

 最近、物騒な事件が相次いているが、走行中にエアガンで撃たれるような事態は想像外のこと。まさに、一寸先が分からない典型的な出来事だ。それほど、はかない命であるから、瞬間、瞬間を大切にして、平和で仲良く、楽しく生きたいとの願いは万人共通だ。テロや侵略戦争に力を貸して、平和とか国益のためと叫び正当化しようとするパラドックス。

 祭壇の写真が、「病で死ぬならまだ諦めもつく。テロや戦争の犠牲者も同じ一般市民だ。みな、仲良く生きてくれ」と、語りかけているように思えた。故人を見送るのではなく、教わる場であった。