小泉前首相の肝いりで誕生した「タインミーティング」が”やらせ”だったことが暴露された。政府と国民の双方向のコミニュケーションとして、全国で開催されたが、実態は政府の世論操作の一環だった。
政府が国民の声を政治に反映させる事は歓迎すべきことだし、従来からも公聴会の形式は、必要の都度、行われてきた。だが、一方的な説明ではなく、閣僚が直接、国民と対話するタウンミーティングとなると、期待感が大きいだけに影響力も大きい。
見逃せないのは、”やらせ質問”が文部科学省の教育基本法改正に関するタウンミーティングだった点だ。最重要法案として国会で審議する法案に対し、改正すべしの立場で発言させることは公平性を欠くことになるからだ。これでは、国民の声が教育基本法改正を望んでいると集約され、政治家が常用する「民意」が主催者側の思惑通りに形成される。
小泉内閣の5年余、開催されたタウンミーティングは174回で、その費用は20億円を上回る。内閣の支持率に意図的に利用されたとすると、極めて不愉快だ。現安倍総理は、当時の官房長官でもありうやむやにされては困る。他の案件も含めて、事実関係を国民の前に明らかにする責任を負っている。