いわれようの無い疑いを持たれた場合、身の潔白を晴らすためにはどうすれば良いか?昼過ぎから一人で思案している。ぶつぶつ文句を言うのを女房が横で笑っているが、お前にも責任の一端があるのだと言いかけて言葉をのみこんだ。
私は、月に2,3度図書館に出掛けるのだが、そこで読むよりも大抵は数冊の本を借りて帰る。つまらないテレビ番組を観るより、興味深い本を飛ばし読みする方がはるかに楽しいからだ。難解な専門書は読まない。圧倒的に多いのが、旅行や健康に関する書籍類だ。
さて、午前中、図書館へ借りた本を返却に出掛けた折のこと。新たに数冊の旅行ガイドを借りようとすると、係員が「今日お返し頂いた本に付いていた地図が無いのですがお心当たりはありませんか?」と訊かれた。勿論、記憶に無い。付録の地図を返して貰わないと次の本は貸せないというのだ。
借りた本を読みきらない間に返却日が迫ったので、くだんの本を自宅で開くこともなく返したので、地図の有無を確認すらしていなかった。勿論、借りた時点で地図の付録を確認されてもいなかった。私自身、迂闊といえば迂闊だったが、身に覚えが無いものはないと言うしかない。
結局、その本の貸し出し期間を延長するので自宅へ戻り、家族の人にも確認して欲しいとの指示を断りきれなかった。性善説を旨としている私には堪らない言い掛かりだったが、自己防衛手段を考えないといけない世の中になったのだと自戒している。