「復党の正体みたり票と金」としか、形容しようのない茶番劇を自民党あげて演じている。昨年9月の小泉劇場(=激情)型選挙で、郵政民営化に反対した議員が自民党を追われ、県連後援会を二分する騒動にまで発展して1年。それが安倍総裁になったら、「復党歓迎」一色に染まろうとしている。
自民党内のもめごととして片付けたいところだが、造反議員に投票した有権者の思いを踏みにじることになる。当の議員にしても、民営化反対を掲げて刺客と戦い、党を追われた身分なのに、復党を熱望するのでは大義が通らないはず。
今回の復党問題の背景には、来年の参院選で造反議員が抱えている組織・地盤が必要なことは容易に察しがつくが、もう一つの狙いが隠されている。それは、政党助成金の仕組みにある。政党助成金の配分額は、1月1日現在の議員数により按分されるから、年内に復党させないと自民党の台所が潤わない。造反議員12人で約2億8000万円(平沼議員を除くと2億5000万円)もの助成金が入るかどうかの瀬戸際なのだ。
安倍総理は、「再チャレンジ政策」で汗をかいた敗者を救済するというが、復活させる価値があるかどうかを誰が決めるのか?政局中心に判断する自民党の思惑が実に見苦しい。政治家とは、一般人とかけ離れた不思議な価値観を持っている人種だとしか思えない。