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時悠人chosan流処世術

★政治と風見鶏

2008-09-20 10:03:06 | 日記・エッセイ・コラム

Wind_bird 「風見鶏」とは、鶏の形をした風向計だが、外国では魔除け的意味合いもあるようだ。日本では、優柔不断で日和見主義的なマイナスイメージを持つ言葉として使われているが、疑問に思う。

かつて、中曽根康弘元首相は「政界の風見鶏」と評された。有力者のもとを渡り歩いた変節の政治家とのレッテルを貼られたものだが、その後の氏の業績を調べればこの評価が当たっていないことが分かる。

中曽根さんは、文芸春秋の9月号で、”風見鶏”との批判を「何の苦にもならなかった」と述べている。その理由は、彼が師と仰ぐ徳富蘇峰の教えだそうだ。「勝海舟の言に”天の勢いに従う”というのがある。政治家は救世軍の士官ではないのだから、イデオロギーや既成概念に固執する必要はない。これからの時代は流動するから大局さえ失わないなら、大いに妥協しなさい。」と。

 総理時代に提唱した「外交4原則」も蘇峰の教えを基礎に作ったそうだ。ちなみに、その「外交4原則」とは、「1:国力以上の大切な対外活動をしてはならない。2:外交はギャンブルであってはならない。3:内政と外交を混交してはならない。4:世界史の正統的潮流をはずれてはならない。」。

 内外に山積する課題をそっちのけで自民党総裁選を繰り広げている候補者たちは、自民党の大先輩の言葉をどう受け止めるだろうか。今こそ、この4原則を堅持すべきだ。ただ、風になびくだけではなく、時代の流れや社会環境を読んで、向きを変え風向きに即応できるようにするのが「政治家の志」ではないのだろうか。