今日の朝刊の見出しに、「麻生内閣の支持率」と「小泉元首相の引退」記事が踊った。いずれも想定内だが、引退劇のタイミングは、悪いニュースを打ち消そうとしたかのようだ。汚染米や国交大臣の失言などより、横須賀に米空母「ジョージ・ワシントン」が配備されたニュースがかすむ方が恐怖だ。
かつて、YKKと呼ばれた一人の加藤紘一さんは、「彼は政治というより、人生ドラマを演じていた」のではないかと皮肉った。国民は、演劇に浸っていたが劇場を出たら、「あれっ!テーマはなんだったっけ?」と思っているかも知れないとも。
アメリカでは、大統領任期が終わったら政界から退くのが常識だ。トップの座を離れても議員であり続けるから、院政が生まれ、若い有望な議員が活躍出来ない。ましてや、任期途中で政権を投げ出したお二人には、小泉さんと一緒に引退して貰いたい。そうでなくても、二世議員の軟弱さが批判されるなかで麻生首相も同様の系譜だ。しかも、18人の閣僚中、二世議員が11人を占める。
小泉さんの引退を潔い引き際とみるかはともかく、政治家が天命を果たしたと感じたなら、政界に身を置く必然性はない。が、彼が引退し、二男(27歳)が次期衆院選に出馬する打算が透けて見えるだけに幻滅する。