シネマ見どころ

映画のおもしろさを広くみなさんに知って頂き、少しでも多くの方々に映画館へ足を運んで頂こうという趣旨で立ち上げました。

オリエント急行殺人事件(2017年米・英)

2018年01月10日 | 映画の感想・批評
今年からこのシネマ見どころに参加させていただきます、アロママです。
よろしくお願いいたします。

12月8日公開の本作品。
あまりにも有名なアガサ・クリスティーの名作ミステリー。

もともとシェイクスピア劇の舞台俳優出身のケネス・ブラナーが、監督主演したリメイク版。

冒頭の卵の大きさにこだわるポアロ、卵を買いに走る少年の可愛さ、今トランプ大統領の発言で世界中が揺れる「エルサレム」の嘆きの壁などなど、いきなり引き付けられる。
そして、いよいよオリエント急行に乗りこむ時のわくわく感。
まるでタイタニックの乗船シーンのように、これから起こる重大事件とその結末がわかっていても、旅への期待が高まる導入。
うまいわあ!!!AXNミステリーの神経質なポアロさんと違って、チャーミング!

悩めるポアロが困惑を打ち明ける相手。カトリーヌの写真、これがエマ・トンプソンの若き日の姿らしい。
個人的な背景事情(ケネス・ブラナーとエマ・トンプソンは元夫婦、今も関係良好らしい)があるだけに、思わずにんまりしてしまう。

髭のカバーもあるんだ!ケーキが好きなんだ!それも上っ面だけ食べてる!

「顔が嫌いだから、依頼を断る」

こういうユーモアと茶目っ気がKEN(ケネス・ブラナー)の魅力でもある



大画面で見る価値は絶対にあり。俯瞰でとらえた映像は本当に旅している気分にさせてくれる。

壮大な風景の中をひた走る、おしゃれな列車。


74年版に負けていない、豪華俳優陣の競演もワクワクさせられる。

ジョニー・デップの悪役、はまってる!凄みと下品さをにじませながら。

ジュディ・デンチ、威圧感たっぷりの嫌みな公爵夫人、こういうのが本当によく似合う。だから好き!

スターウォーズの若きヒロインのデイジー・リドリーも、この名優たちに囲まれていい仕事をしている。


エンドロールで流れる歌はミシェル・ファイファー。若々しい声に驚く。
歌詞は監督も参加して書いたらしい。字幕で歌詞を紹介してほしかった。吹き替え版にもなし!

ストーリーを知らずに見るとしんどいかもしれない。
謎解きはそれほどメインで描かれてない。端折られてる感が強い。
それはこれだけ有名な作品のリメイクである以上、やむを得ないのかと思うが、いかがでしょう。

ナイルで殺人事件も起こった様子、しばらくはケネス・ブラナー版のポワロさんと付き合うのも楽しみ!

(アロママ)

原題:MURDER ON THE ORIENT EXPRESS
監督:ケネス・ブラナー
原作:アガサ・クリスティー
脚本:マイケル・グリーン

出演:ケネス・ブラナー、ジョニー・デップ、ミシェル・ファイファー、ジュディ・デンチ、ペネロペ・クルス、デレク・ジャコビ、デイジー・リドリー他