第6回
『佐和の恩返し』
佐和から2年前の人殺しを
調べ直して欲しいと頼まれる逸馬。
逸馬は小松屋に可愛がられ、
暖簾分けした橋本屋の羽振りがいいと聞き、
橋本屋に話を聞きに行く。
2年前の小松屋清八の殺しを調べ直していると話す。
「殺しに繋がる、何か心当たりはないか?」
「生憎ございません。
酔った上とはいえ、あまりに理不尽でございました。」
佐和が逸馬の元へやって来て、
かよが橋本尚右衛門の許婚だと話す。
小松屋の不幸で、祝言が先送りされ、
2人の間にも秋風が立つようになったらしい。
昨夜の橋本屋が妙に頑なだったと逸馬。
佐和は、小松屋の不幸の後、
橋本屋の人が変わったとかよが言っていたと。
信三郎が逸馬に小松屋に会ったことがあると話す。
ご厚誼にまつわる談合が目に余ると
評定所に密かに訴える者がいて、
その時、小松屋を呼んで話を聞いたと。
「正しすぎるのは返って危険だぞ。
父上がそうであった。
相手を見て物は言わぬと・・・」
「殺される・・・か。」
逸馬は、橋本屋が何かを知っているのに違いないと言う。
作事奉行・長野と橋本屋が密会。
長野が甘い畑を変えようと思うと言うと橋本屋は、
「手前共の畑は甘い蜜がたっぷり育つと
評判でございます。」
そう言い、小判を差し出す。
すると長野は橋本屋に頭取になり仕切ってみろと言う。
鳥居に話をしに行く金さん。
勘定奉行の中には、老中・水野の親族がいる。
長野を突けば老中も危ないと言う金さんに、
この件は暫く自分に預けてくれと鳥居。
鳥居がどう動くかが見物だと金さん。
坪井は、鳥居が手を下すとは到底思えないと。
逸馬のところに佐和とかよが、
小松屋が目安箱に入れた訴えの控えを持って来る。
預かったのは番頭だったと。
「訴えが揉み消されるのを恐れて、番頭に預けた。
本物の訴状は上様の御前に届かず、
誰かに握り潰され、殺されたって筋だ。」
「小松屋さんの敵を取る証拠になりますね。」と佐和。
「長野が談合の首謀者だと、その顛末がしっかり書いてある。
かよさん、お手柄ですよ。」
かよは昨日、尚右衛門が
別れ話を持ち出して来たと知らせに来る。
もうすぐ問屋仲間の頭取になるから、
かよとの仲はなかったことにしてくれと言って来たらしい。
家でかよが泣いてたら、番頭が小松屋の訴えを差し出した。
かよはそれを読んで、橋本屋が全てを捨てて、
父の無念を晴らすつもりだと思ったと。
その集まりは何処でやるのか訊ねる逸馬。
逸馬は金さんに報告。
「そうかい! そいつはおもしれぇ。
桃川は俺のちょいと馴染みのある店だ。
料理屋で一気に長野を踏んじまって、
冥途に送ってやろうじゃねぇか。」
坪井に小松屋を慕っていた者たちを集めるよう言い、
逸馬にはもう一度橋本屋に会って念を押しておけと。
「命は大事にしろってな。」
橋本屋に会いに行く逸馬。
清八殺しの敵を取るつもりか?と聞く。
橋本屋はなんとか誤魔化そうとするが、
「俺の目を見ろ!!
それでも誠と申せるか。
これ以上、かよを悲しませてもいいのか。」
集まりが始まる。
逸馬と坪井も集まりに潜入。
金さんも陰から様子を見ている。
橋本屋が席を立ち、逸馬は後を追う。
そして空き部屋に橋本屋を引っ張り込む。
長野を殺そうと企んでいた橋本屋。
やらせてくれと逸馬に訴える。
逸馬は小松屋が書いた訴状を見せる。
「お前がやらなきゃいけねえのは、
長野を殺すことじゃねえ!!
この訴状を突きつけて、悪事の全てを白状させることだ。」
みんなの前で頭を下げ、挨拶する橋本屋。
「今宵、この宴を最後に、啄木鳥社中は解散致します。
頭取は代々、寄り合いの一切を取り仕切る務めがございます。
故に私は、悪しき慣わしの談合と、
その取り決めを全て取り止める所存にございます。」
長野は勝手なことをほざいてと怒る。
橋本屋は、この日の為にこの2年過ごして来たと。
そして逸馬から渡された訴状を長野の前に広げ、
「しかと御覧下さい。
これは死んだ小松屋清八が残した訴えの控え。
これには長野様の悪事、その全てが暴かれております。
目安箱に入れられたと知ったあなたは、
小松屋を殺した。
そうでございますね!!」
「おのれぇい!!」
長野が立ち上がる。
逸馬が助けようと立とうとすると、
坪井が「暫く待て。」と制し、
橋本屋にその訴えを読み上げてくれと言う。
しかし、長野がそれを遮り、
「こやつの戯言など聞くに及ばん。
これからの談合は全てワシが取り仕切る。
お前らには、これまで以上に楽をさせてやる。
ワシについておけば間違いはない。
橋本屋、ワシに逆らうなよ。
お前も小松屋同様、切り捨ててくれるわ。」
逸馬が立ち上がり、
「作事奉行・長野太郎左衛門!!
遂に白状しやがったな!!
てめぇみてえな薄汚ねえヤツは、許せねえ!!」
長野が「であえ~~~!!」と言うと、
信三郎が人を捕らえ入って来る。
「中庭に転がってたぜ。」と。
「北町奉行、坪井喜八郎にござる。
長野様、神妙になさいませ。
お目付け様もお待ちにございます。」
長野は観念した。
鳥居が金さんを訪ねて来る。
此度の一件を穏便に収めてくれと頼む。
かよは小松屋を閉め、橋本屋で一から出直すと。
橋本屋は2年の間、談合に関わっていたが
お咎めなしという処分に。
一件落着ですね。
ここんとこ、鳥居が金さんに頭下げますね(笑)
けどやっぱり胡散臭いんだよね~。
絶対何か企んでるでしょ。
かよと橋本屋は良かったよね。
処分もなかったし。
信三郎が結婚してちょっとビクビクしてるのに笑えたよ。
尻に敷かれてる感じがしますね。
佐和と金さんのことも少し分かりましたね~。
あの2人の関係もなかなか複雑のような?
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