模型工房クラフトベース工房主の気まぐれ日記

仕事での模型製作や、趣味のプラモ・ガレージキットの製作過程、TVや映画の事など、気の向くままに書いています。

映画「インビクタス・負けざる者」

2010-03-19 12:50:58 | 感想
クリント・イーストウッド監督最新作…といっても、公開から一月以上経ちました。
もうとっくに公開は終わったと思っていましたが、意外にも長い上映期間で助かりました。

南アフリカの初の黒人大統領、ネルソン・マンデラ氏の実話を元にした作品です。
大統領就任直後、黒人と白人の対立が激しい中で、いかにして国をひとつにまとめるか。
大統領は自国で開催される、ラグビーのワールドカップに目をつけます。

マンデラ役は、モーガン・フリーマン。
これまで「許されざる者」「ミリオンダラー・ベイビー」などで、イーストウッドとの相性の良さは立証済みですが、今回も実に自然な演技で、温和な大統領を見事に演じています。
演技に見えないくらい、なりきっていたと言った方がいいかも知れません。

それから、代表チームの主将・ピナール役はマット・デイモン。
祖国の優勝のために燃える熱血漢…ではなく、自分の役割をしっかり、冷静に受け止め、チームをまとめていきます。
マンデラとの対談で、彼の人柄に触れ、覚悟を決めてワールドカップに臨む姿が、これもまた静かで自然な、さすが実力派の演技です。

ラグビーの試合の場面は大迫力。
6万人以上のスタジアムの大歓声が、それをさらに盛り上げて、見ごたえがあります。

それにしても、長年続いた差別政策を、突然法律だけ変えたって、感情面が突然変わるわけがなく、混乱するのは当然です。
これまでの溜まりに溜まった恨みをもつ黒人と、報復を恐れる白人をひとつにまとめようっていうんですから、そりゃ大変です。
一時的かも知れませんが、その気持ちを一方向に向けさせた、スポーツの力ってのは、やっぱりすごいんですね。
そして、それを狙って、不調な代表チームを解体せずに発奮させたマンデラ氏の力。

いい映画を観たという感想と同時に、今の日本の政治家のお粗末さを改めて感じ、なんだか情けなくなりました。
コメント
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