

「春のうららの・・・♪」と滝廉太郎作曲の「花」にも歌われる隅田川。
隅田川のソメイヨシノはまだ蕾、この早咲きの花が終わる頃には「眺めをなにに例うべき♪」と歌われるようなソメイヨシノの眺めが見られるかもしれない。
墨田区は、今年から早咲きから遅咲きまで長く楽しめるようにと、墨田公園に25種の桜を植えるそうだ。
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「姥桜はええな~」 佐野藤右衛門さん
花にはみな「色気」があるんです。
その「色気」を通り越すと「色香」にかわる。桜も姥桜になると、それまでの「色気」にかわって、ものすごい「色香」がでる。そうなると本物や。
あちこちに穴があいてしわくちゃだと思っていた幹に、ドーンとした風格が出るんです。そしてほんまにきれいな花がパッパ、パッパと咲く。
姥桜は、自分で枝や幹を少しづつ枯らしながら大きくなっていくんです。自分で調整しとるんですわ。
そやから見る方もたたえてやらんといかん。そうすると、また来年一生懸命きれいな花を咲かせてくれますから。
「よう頑張ってるな」という気持ちをこめて、ほめてやるつもりで鑑賞したらええんですわ。
女性もそうやな。花の盛りは短いかもしれんけど、女性が本当に「女らしく」なるのは姥桜になってからや。「色香」がでるということや。
ただし、女性に「色香」出させるには、男もやらんといかんことがある。それは「支え」や。
支え方は花を見てもろうたらわかるでしょう。花の雌しべはたいてい一つや。まわりに雄しべが15から20本以上あるんです。だから守ってやらんといかんのです、少なくとも自分の奥さんだけは大切にせいということやな。
集英社「櫻よ」から抜粋
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桜守・佐野藤右衛門さんのやわらかい語り口は、エスプリの効いた小話を聞いているようでもある。
その活躍は海外にまで及び、'97年にはその功績が認められ、ユネスコから、世界で最も芸術文化に功労のあった人を表彰する賞、といわれるピカソ・メダルが贈られたという。
今年は藤右衛門さんを思い出しながらの花見はいかがでしょう。

2006.03.17