勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

母さん

2014-01-19 16:55:37 | Weblog
 その昔、電話のマナーをうるさく言われた。電話が掛かってきたときは、はっきりと○○ですと言いなさい。電話を掛けるときは、○○ですが□□さんのお宅ですか? これが当たり前だった。
今も、会社関係や仕事の電話はこれは常識だろう。だが、個人の電話、特に家庭の固定電話はこの限りではない。番号通知の機能もあり、特に携帯電話の普及は、掛かってきた相手が誰であるかわかるので、お互いを名乗らなくてもすぐに会話に入れる。

 数日前、我が家の固定電話に、登録されていないケータイの番号からの着信があった。一応電話には出たが、こちらの名前は言わない。電話の主はろれつが回らず、泣いているようでもあり、はっきりとは聞き取れない声で「△△? ☆☆だけど」という。いよいよ来たか、と身構えて、僕は答えた。「はい、そうだけど・・・」。振り込め詐欺なら引っかかった振りをしよう。しかし相手は何か言ってるが、意味が不明である。少しのやり取りのあと、ただの酔っぱらいの間違い電話だとわかった。ちょと残念である。


 以前、知り合いの奥様にかかってきた振り込め詐欺の電話、「○○警察ですが、お宅のご主人が電車の中で痴漢行為をしました。相手の女性は示談にすると言ってますが。。。」
その方は自家用車での通勤をしている。奥様は警察に言ったそうだ、「主人はいつもそんなことで捕まってるの、だから逮捕してください」と。。。あっぱれである。

 別の話である。「こちら警察のものですが、お宅の息子さんが・・・」常套手段の電話である。彼女はそれが詐欺の電話であることにすぐに気付く。息子は5年前に死んでいた。しかし、代わった息子と名乗る電話の声は死んだ息子にそっくりだった。暫く黙って息子役の話を聞く。彼は最後に「母さん、ゴメンよ、助けてくれ」。そこで彼女は真実を話す、「息子は5年前に死んでるの」と。電話の声はパタッと止まった。彼女は電話が切られる前に言ったそうだ。「あなたの声は息子にそっくりなの。電話を切る前にもう一度声を聞かせてもらえないかしら?」。電話の主は一言こう言って電話を切ったという。

「母さん!」