♪
おさななじみの想い出は
青いレモンの味がする
閉じるまぶたのそのうらに
おさない姿の君と僕
おさななじみの想い出は
青いレモンの味がする
閉じるまぶたのそのうらに
おさない姿の君と僕
去る4日の日曜日、中学校の同窓会があった。前回出席したのは5年前、それは僕にとって卒業以来初めての出席だった。その時は閉じたまぶたの裏におさない姿が現れるのに時間がかかった。特に女性は昔の面影とはだいぶ違って、親しげに話しかけられて名前を訊く機会を失い、帰っても思い出せない人もいた。
5年前の同窓会の時、かなり年上と思しきハゲ親父が会場に入ろうとしていた。僕は彼がどこかの会場と間違えたと思った瞬間、そのハゲ親父が「おぉ、○○」と親しげに僕の名前を呼ぶ。戸惑う僕の顔を見た彼は、持っていたセカンドバックで自分の頭を隠した。その顔は近所に住んでいて仲良しだったまさに幼馴染。時の流れはほろ苦いレモンの味でもあった。
今回の出席は、全139名のうち、男性20名女性18名の計38名。物故者も39名にのぼる。その翌日、あのほろ苦いレモンの味の幼馴染からメールが来た。名簿からと思われるケータイの番号のショートメールである。「○○です!昨日は楽しかったです!☆☆ちゃんとのダンスが良かった!また2年後の再会を期して!」すぐに返信した。「思いがけずダンスなど披露してしまいましたが、皆さんとの楽しい時間を過ごせたことに感謝です。またの機会を楽しみにしています。ありがとうございました。」