街とはなんだろうか。
唐突すぎる問いだろうか。
私が今住む街は、横浜市の住宅街。
駅はきれいに整備され、ショッピングモールが爛々と光を放っている。
駅を少し歩くと、そこに現れるのはマンションの大群。
その一角に私のおんぼろアパートはある。
ここに住み始めて約2年、まだこの街を街として好きになれないでいる。
しかし、密かに気に入っている場所もあるのだ。
例えば、ブランドショップの間に潜む古びた上り階段。
そこだけ絵のようにぽっかりと切り取られている。
その階段一つで私の想像力に花が咲く。
麻痺した心がふとよみがえるのだ。
例えば、賑やかな駅の裏路地に続く下り階段。
ビルとビルの間から見える高い空。
その下を走る電車。
この階段はいったいどこに行くんだろう。
それは、前にも書いた「あいだの空間」。
でもここは開発中の街。
誰が決めたのか、上り階段の錆びたハンドレールは水色のペンキできれいに塗り直されていた。
下り階段の奥に広がる空き地に建設され始めた巨大マンションが、空を狭くした。
そんな一つ一つの街の変化に一喜一憂してしまうのだ。
街とは何だろうか。
私の望まないその巨大マンションに、いつしかたくさんの人が住み、そこで生活が送られていくのだろう。
そしてその場所はこの街の一部になっていくのだ。
この街に地域という人のつながりはない。
人が住むための街。
街という名のマンション。
ぽつんと突っ立ていると、そのマンション群がどんどん大きくなって私の中に押し寄せてくる。
ぼーっと突っ立ていると、ショッピングモールや大手スーパーの真っ白な蛍光灯の光が私の体に突き刺さってくる。
そこで、ガタンゴトンという電車の音が遠くの方から近づいてきた。
ふと我に返ると、そこは駅の裏路地に続く下り階段。
夜だ。
階段下に目をやると、ビルとビルの間を颯爽と駆け抜けていく田園都市線の電車。
四角い小さな光の中には、いろんな人の表情が見える。
そんな風景に今日は勇気づけられた。
ここは私の住む街。
今日もかすかな光を眼前に、家路を辿る。
唐突すぎる問いだろうか。
私が今住む街は、横浜市の住宅街。
駅はきれいに整備され、ショッピングモールが爛々と光を放っている。
駅を少し歩くと、そこに現れるのはマンションの大群。
その一角に私のおんぼろアパートはある。
ここに住み始めて約2年、まだこの街を街として好きになれないでいる。
しかし、密かに気に入っている場所もあるのだ。
例えば、ブランドショップの間に潜む古びた上り階段。
そこだけ絵のようにぽっかりと切り取られている。
その階段一つで私の想像力に花が咲く。
麻痺した心がふとよみがえるのだ。
例えば、賑やかな駅の裏路地に続く下り階段。
ビルとビルの間から見える高い空。
その下を走る電車。
この階段はいったいどこに行くんだろう。
それは、前にも書いた「あいだの空間」。
でもここは開発中の街。
誰が決めたのか、上り階段の錆びたハンドレールは水色のペンキできれいに塗り直されていた。
下り階段の奥に広がる空き地に建設され始めた巨大マンションが、空を狭くした。
そんな一つ一つの街の変化に一喜一憂してしまうのだ。
街とは何だろうか。
私の望まないその巨大マンションに、いつしかたくさんの人が住み、そこで生活が送られていくのだろう。
そしてその場所はこの街の一部になっていくのだ。
この街に地域という人のつながりはない。
人が住むための街。
街という名のマンション。
ぽつんと突っ立ていると、そのマンション群がどんどん大きくなって私の中に押し寄せてくる。
ぼーっと突っ立ていると、ショッピングモールや大手スーパーの真っ白な蛍光灯の光が私の体に突き刺さってくる。
そこで、ガタンゴトンという電車の音が遠くの方から近づいてきた。
ふと我に返ると、そこは駅の裏路地に続く下り階段。
夜だ。
階段下に目をやると、ビルとビルの間を颯爽と駆け抜けていく田園都市線の電車。
四角い小さな光の中には、いろんな人の表情が見える。
そんな風景に今日は勇気づけられた。
ここは私の住む街。
今日もかすかな光を眼前に、家路を辿る。