歩くたんぽぽ

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ブラック・スワン

2016年08月28日 | 映画
『ブラック・スワン』は2010年のアメリカ映画である。

監督はダーレン・アロノフスキー、主演はナタリー・ポートマンだ。



日本でも公開当時は大変な騒ぎになった。

それから数年、気になってはいたもののなかなか手を出せないでいた。

というのも見る者の精神にかなりの負荷がかかると予想されたからだ。

ジャンルは違うが例えると韓国でいえば『オールド・ボーイ』、

アメリカでいえばスタンリー・キューブリックの『時計じかけのオレンジ』や、

日本でいえば岩井俊二監督の『リリーシュシュのすべて』みたいに、

数日はその暗い余韻の中で当て所のない精神の迷いを強いられるような計り知れない名作のように。



そしてついに見る時が来た。

今だったら受け入れられるような気がした。



ナタリー・ポートマンは子どもの頃から好きな女優だ。

何しろ美しい。

そしてこの映画においてその美しさは強調され、故に恐ろしさを増幅させている。

壊したくなる程の美しさとでも言えばいいのか。



最初ソファーに寝転がって見ていたのだけど、途中からそれどころではなくなってくる。

自分でも体が強ばっていくのが分かる。

張りつめた緊張感は切れることがなく、握った手には汗がじんわり。

はっきり言ってそこらのホラー映画とは比べものにならない程怖い。

それでいて深い感動を与えてくれるのだから敵わない。



エンドロールが上がってきてやっと深呼吸する。

一息ついて確信する。

これはとんでもない映画だ。

コメント
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