歩くたんぽぽ

たんぽぽは根っこの太いたくましい花なんです。

赤腹の大山椒魚

2018年02月10日 | 日記
田んぼの畔道を歩いている。

見覚えのある風景だ。

子供の頃よくここで遊んだ。

畔が小川にぶつかったところで行き先に迷っていると、

水流の溜まり場に150センチにもなろうかという大山椒魚が2匹いた。

夢はいつも唐突だ。

大山椒魚がこんなに大きいなんて聞いてない。

とにかく写真を撮って大山椒魚好きの父に報告せねばと急いでポケットからスマホを取り出すが、

焦っている時というのはえてしてうまくいかないもので、

シャッターボタンを連打するもピントが合わない。

ジタバタしているうちに一匹は下流の方へ行ってしまった。

残った一匹は体をひっくり返し黒斑のある赤いお腹を見せて笑った。

いやいや、それはイモリだから。



いったい私の深層心理はどうなってるの。


知り合いのビーズアート作家さんが作ったヤモリのブローチ
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今、丁度そんな気分

2018年02月10日 | 日記
雨が降る前の不安定な空、

若いロックミュージシャンが歌うエモーショナルロック、

夜の窓に群がる蛾、

行きたくもない飲み会に参加した日の帰り道、

夜行バスから見る街の灯り、

誰かを見送る空港、

トイレの電球が切れてしまった、そんな気分。

前置きも自嘲も忘れて生肌が晒される。




私の中に住んでいる掃除のおじさんが、

井戸の底に溜まった泥をすくい上げてはせっせと捨てている。



案外肌は分厚くて痛いというより痒い。


新メンバーのガジュマル2号
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夕焼けに浮かぶ十字架

2018年02月07日 | 空想日記
真っ赤な夕焼けに浮かぶ電柱のシルエット。

どこまでも続くその影はまるで十字架のようだ。

それはここに罪人がいるのだと教えている。

誰かが「罪のない人間などいない」と言っていた。

振り返れば私の後ろにも見上げるほど大きな十字架、ならぬ電柱がそびえ立っている。




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ゆらゆら初詣

2018年02月03日 | 日記
夫の誘いで1月の終わりに初詣のため浅草寺に行ってきた。

浅草寺に行くのはいつぶりだったか、約250mに渡る表参道はいつも賑やかだ。

そこかしこで中国語や韓国語、アラブ系の言葉が飛び交っており、真冬だというのに遠くの方で陽炎が揺らめいている。

東京のど真ん中にあってこの空の広さ、『千と千尋の神隠し』を彷彿とさせる異空間だ。





雷門を抜けた先にある宝蔵門の左右で5m強の仁王像が強烈な眼力でもってこっちを見ている。

一度目が合ってしまうとこちらから目を離すのもためらわれるが、

あっちが先に離すということはきっとないのでしょうがない。





夕方のいい時間帯。

嫌だと言うのに夫は引き下がらず、やむなく引いたおみくじは凶だった。

記憶上凶を引いたのは初めてで、書かれた文が全てネガティブだったのには驚いた。

よく分からないままそのおみくじを木に結んで忘れることにした。





こういう場所に何か具体的な効果を望んでお参りすることになんとなく違和感を感じる。

それでも手を合わせるとちゃっかり自分と身近な人たちの健康なんか願う自分がいたりして、

拘りをうそぶく唇がかさかさに乾き自分の中の軸を見失う。



やはり浅草寺には和服の女性がよく似合う。

偶然あちらから歩いてきた少女三人に合わせてシャッターを押したのは夫。

君は見逃さないのね、私は気づきもしなかった。





帰りは表参道の脇を固める仲見世の裏道を歩く。

案外こっちも好きなのです。

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