とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

ムンク展(東京都美術館)

2018-11-28 23:59:00 | 美術館
東京都美術館にて、「ムンク展-共鳴する魂の叫び」を鑑賞。

エドヴァルド・ムンクは芸術に人生を捧げた人。
幼い時に、母と姉を結核で亡くし、死に覆われた作品を多く残した。
1863年生まれで1944年に亡くなったので、日本でいうと明治維新の少し前から終戦の前年までの人生だ。
画家としては、30歳ぐらいで成功を収め、経済的には裕福だったはずだが、幸福感がまるでない。
常に死を意識しながら生きる80年とはどんなものだったのであろうか。

「叫び」、「マドンナ」、「吸血鬼」。多くの自画像。
写真から絵に落としていくことが多かったらしい。
赤と緑の対比の使い方が独特だ。
精神を病んでおり、絵を描くことに生きる意味を見出していたということは、
作品の中に、不安定の中の安定があるということなのだろう。

自分では抱えきれないものを吐き出して、形のあるものにする。
その作品が多くの人の共感を呼んで、癒しにもなる。
作品の中にある普遍性の為せる業だろうか。


「生きてるだけで、愛。」(ねたばれ注意)

2018-11-28 23:30:00 | 映画
原作は本谷有希子の小説。

「生きてるだけで、疲れる」のがわかるこじらせている女性の話。
結局、できることが少ないから、小さいことで悩んでしまうのだと思う。
子供がいきなり大人の世界に放り込まれた感じなのではないだろうか。
大人になることは、多くのことを諦めることだと思うが、それも悪いことではない。

菅田将暉演じる津奈木のように、20代で優しい男が増えたのも事実なんだろう。
自分が20代の頃だったら、こういうタイプの女性とは付き合えなかった。
そもそも、何を言っているのか、したいのか、理解不能だっただろう。
そういう意味では、世間の受け皿が寛容になっているのかもしれない。
もちろん、今でも十分ではないと思うが。

映画としては、キャスティングがなかなか秀逸。
最近、旬の人をうまく配している。
普通の女性の役の趣里が見てみたいと思った。

点数は、7点(10点満点)。

タイトル:生きてるだけで、愛。
製作年:2018年
製作国:日本
配給:クロックワークス
監督:関根光才
主演:趣里
他出演者:菅田将暉、田中哲司、西田尚美、松重豊、石橋静河、織田梨沙、仲里依紗
上映時間:109分