とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「罪の声」(ネタバレ注意)

2020-11-03 23:59:00 | 映画
原作小説を読んでいた分、期待が大きかったが、それを上回る満足感。
多少、順番が前後したり、内容が変わっていたが、許容範囲。
関西人としては、関西的なノリがちゃんと表現されていることが嬉しい。

グリコ・森永事件の一つの可能性について、脅迫に使われた子供の声から事件に迫る展開が秀逸。
1980年代の猥雑さや喧噪と現在との違いが感慨深い。
昨今の至るところに監視カメラが設置され、ドライブレコーダが普及している状況では起こりえない事件と思える。
そういう意味で世の中の治安はよくなっているのだろう。

映画の見所は、小栗旬演じる新聞記者と星野源演じるテーラーとの掛け合いだ。
新聞記者という仕事の面白さと難しさ、辛さを小栗旬が飄々と演じているところが塩田武士作品の主役にはまっている。
一方、事件の当事者としての苦悩を星野源が好演。
二人の間に信頼感が構築されていくところが丁寧に表現されている。

平穏な生活の下に埋まっているかもしれない地雷の存在。
人間の存在の危うさを忘れてはいけないと言われているようで、身がしまる思いがした。

点数は、10点(10点満点)。

タイトル:罪の声
製作年:2020年
製作国:日本
配給:東宝
監督:土井裕泰
主演:小栗旬、星野源
他出演者:松重豊、古館寛治、宇野祥平、篠原ゆき子、原菜乃華、阿部亮平、市川実日子、火野正平、宇崎竜童、梶芽衣子
上映時間:142分