とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「そして僕は途方に暮れる」(ネタバレ注意)

2023-01-15 23:59:00 | 映画
「そして僕は途方に暮れる」は1984年のヒット曲だ。
歌詞では出ていくのは女性だが、本作品では藤ヶ谷太輔が演じるフリーターの主人公が出ていく側だ。

主人公はダメ男としか言いようがないし、身内や友人にはいて欲しくないが、少し羨ましくも感じた。
次々に周りの人に迷惑をかけて、何も言わずに出ていくというのは、褒められることではない。
謝ってどうなるものでもないが、とりあえず謝れ、という気がするが、とにかく逃げる。

最後には逃げ切れなくなるのだが、大きな報いが待っている。
それさえも、時間が解決する問題だとは思うが、煮え切らない藤ヶ谷太輔の演技がいい。
時折、後ろを振り返るしぐさと表情が、なんともはまっている。

もしかすると、苦しい状況の人が観ると、救いがある作品かもしれない。

点数は、9点(10点満点)。

タイトル:そして僕は途方に暮れる
製作年:2022年
製作国:日本
配給:ファントム・フィルム
監督:三浦大輔
主演:藤ヶ谷太輔
他出演者:前田敦子、中尾明慶、毎熊克哉、野村周平、香里奈、原田美枝子、豊川悦司
上映時間:122分


「ファミリア」(ネタバレ注意)

2023-01-15 23:50:00 | 映画
役所広司の演技は素晴らしいの一言だが、扱っているテーマと結末はもやもやする感じ。

役所広司が演じる陶芸家の主人公が、幸せの絶頂から絶望の底に落ちるのは痛々しい。
家族を守るといっても、限界があることを受け容れざるを得ない状況もある。
一方、家族に縛られ過ぎることも、よくなかったりするから、難しい。
愛情と憎悪が絡み合って、世の中は回っている。

どんなに願っても時間は巻き戻せないし、前を向いて生きていくことしかできないことはわかっていても、難しいのが現実だ。
最愛の一人息子とその妻を失った主人公が、新しい家族を築こうとして立ち上がる姿に希望が見えた。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:ファミリア
製作年:2022年
製作国:日本
配給:キノフィルムズ
監督:成島出
主演:役所広司
他出演者:吉沢亮、サガエルカス、ワケドファジレ、中原丈雄、室井滋、アリまらい果、シマダアラン、スミダグスタポ、松重豊、MIYAVI、佐藤浩市
上映時間:121分