とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

芳幾・芳年展(三菱一号館美術館)

2023-03-19 23:59:00 | 美術館
三菱一号館美術館にて、「芳幾・芳年ー国芳門下の2大ライバル」を鑑賞。

落合芳幾(1833年~1904年)と月岡芳年(1839年~1892年)は、ともに江戸時代後期を代表する浮世絵師、歌川国芳の門下。
江戸末期の不安定な世相を反映した血みどろ絵である「英名二十八衆句」を分担して描いており、お互い切磋琢磨して腕を磨いた仲だ。
師匠は、技量の芳幾、情熱の芳年と評価していたらしい。

世の中の変化に対応するため、芳幾は、浮世絵から離れ、新聞錦絵の世界を切り拓いた。
今なら写真だが、日々の事件を絵で表現している。
普通の事件がえらくドラマティックに見える。

芳年は、浮世絵にこだわり、歴史画に発展させた。

彼らの作品は、時代の変化点で、二人がどうもがいたかの記録でもある。


佐伯祐三展(東京ステーションギャラリー)

2023-03-19 23:30:00 | 美術館
東京ステーションギャラリーにて、「佐伯祐三ー自画像としての風景」を鑑賞。
東京ステーションギャラリーは初めて訪れたが、赤レンガの壁が西洋絵画を引き立てるようで、心地よい。

佐伯祐三は、1898年に大阪に生まれ、東京美術学校を卒業し、1923年に渡仏。
1926年に一時帰国し、東京の下落合や大阪で過ごすも、1927年に再渡仏。
1928年に滞在先のパリ郊外の病院にて30歳で亡くなった。

学生時代の自画像から、下落合の風景や大阪の滞船、またパリの街並みや建物までの作品の変遷をたどることができる。
下落合の風景の電柱や坂道、滞船の帆柱など、線を使って、鑑賞者の目線を操り、絵の立体感や動きを演出しているように感じた。
パリの街並みでは、壁や扉など、建物の一部にフォーカスすることで、その重厚感や存在感を伝えようとしていると感じた。

絵画は、目の前の絵を見ているようで、その絵から受けたインスピレーションをもとに脳内で再構築した感性を味わうものと言われている気がした。
なので、画家の技法だったり、対象のデフォルメの仕方だったり、それらから画家の想いと一体化したり、反発したりというのが楽しみである。
そういうことを再認識できた。