昨日までの残り雨というか、ぐずついていた空も今日は青空が覗いている。気象庁の梅雨明け宣言はまだだが、ようやく梅雨も終わったようだ。クマ蝉も急に鳴き出してかしましい。この蝉は環境にうまく適合したようで、めっきり見かけなくなったニイニイゼミの代わりに我が世の夏を謳歌している。いよいよ夏本番、暑くなりそうだ。<o:p></o:p>
夏といえば、甲子園! 高校野球だ。昨年のハンカチ王子でさわやかな感動を味わった人も多いだろうが、真っ黒に日焼けした若者が懸命に闘っている姿を見るのは、やはり心が躍る。地方予選もたけなわだ。<o:p></o:p>
我が福岡県は南北の予選も終わって、県大会が始まった。我が母校もここ数年は低迷していたが、今年は優秀なピッチャーを擁して県大会に進出した。が、優勝候補相手に8回までは勝っていたが、最後に追いつかれ、延長戦で負けてしまった。残念だ。私が在校していた40年前は強豪で知られ、甲子園にも何回も出場している。とくに報徳学園との延長戦は死闘というにふさわしい名試合であった。<o:p></o:p>
甲子園での楽しみはさわやかな感動の他にもうひとつあって、それは優勝校を予想するのである。もう時効になっているので構わないと思うが、私は入社してすぐから10年前まで、25年間以上も私設トトカルチョを発行して、社員の娯楽に寄与していたのである。社内のことだから営利目的ではなく、一口100円として、当たった人には全額払い戻しをしていた。全チームを8枠に分け、優勝・準優勝の枠を連勝複式で当てるのだが、手軽で一口から受け付けていたので、男性社員のみならず女子社員からも好評だった。<o:p></o:p>
このトトカルチョだが、一番難しいのが枠編成である。優勝しそうな学校をうまく散りばめてどの枠にも偏らないように、配分しなければならない。このため、予選が始まると全国の地方予選の結果、トピックスなどをチェックして、実力校をピックアップしていた。昔は野球の盛んな近畿圏、四国・瀬戸内、東海などを重点的に調べていたが、最近は野球留学というのか、学校数が少ない地域の方が甲子園に出やすいという思惑が表面に出て、地方レベル差が少なくなってきているようだ。トトカルチョは私が枠編成担当で、仲がよいN君と二人でやっていた。私のデータファイルが良いのか、編成は好評で、バランスがよく、枠を絞り込むのが実に難しいと言われていた。<o:p></o:p>
このトトカルチョは短期間で行わないといけない。出場校が決定して、組み合わせ抽選が行われるわずか数日間で枠組みを決めて各職場に配布して、抽選日前日に投票を締め切るのである。<o:p></o:p>
8枠だから各枠は6~7校が入ることになるが、1列目は私が想定した優勝校、以下2列目にダークホース校など、分かりやすい枠組み表としたので、野球に興味がない女性でも気軽に投票できたのが良かったと思われる。わずか250人位の会社なのに多いときは1000口以上も集まったのである。もちろん、投票締め切り後は迅速にオッズを発表せねばならないが、普及し始めたパソコンが役に立った。<o:p></o:p>
女性の中には、1口のみ投票して、それが当たって感謝されたこともあった。(私自身は、もちろん投票するが当たった記憶がない!)夏の甲子園は勝ち上がるごとに対戦相手が抽選なので、優勝候補校同志のつぶし合いがあって、予想がつけにくいのだ。<o:p></o:p>
このトトカルチョ、バブルがはじけて会社が不況になった時、責任ある役職についていた私としては、自粛せねばならないと判断して12年前に取りやめた。それ以降、高校野球は楽しいが、夢中にはなっていない。トトカルチョがわずかばかりのスパイスとして味付けしていたのだ。<o:p></o:p>
庶民のささやかな楽しみとして、そろそろ復活してもいいのではないかと思うが、そのような気概のある若手はいないようだし、社内の雰囲気も悪くなっている感じがする。古き良き時代のことなのかもしれない。<o:p></o:p>