二十四節季でいえば、立春をとうに過ぎて今は雨水、間もなく啓蟄だ。日ごとに朝が早くなり、明るさを増している。冬眠していたかのような落葉樹の枝が、つぼみが膨らんでいるのか急に大きくなった気がする。白梅がほのかな香りを漂わせている(のだろうが、鼻が欠陥品なので匂いを感じられないのが悔しい)。我が家の枇杷の木も花が咲いて、結実する準備を始めている。今年もたくさん生ってくれよと祈る。
畑のミカン類はもう金柑だけ。温州ミカンは十二月に、八朔は先日全部収穫した。いずれもおすそ分けするには数が少ないのと甘さがいまひとつなので、我が家で食べることにしている。金柑は実が大きくて良いと思うのだが、ジャムなどの加工品にしかならないようなので、誰も手を出さない。通りすがりの人が欲しいといえば、どうぞどうぞと言うくらいのものだ。
<o:p></o:p>
そんな中、ジムに行こうと車庫に行けば金柑の葉が揺れている。どうも鳥が葉の茂みの中にいるようだ。目を凝らしてじっと見ると、金柑の葉と同じ緑色の羽だった。それも二羽。 鶯のつがいだった。 金柑の実を啄んでいた。 おいしいのだろうか。 写真を!と思って携帯を取り出して構えた途端に飛び去ってしまった。私が慌てたので驚かせたのだろうか。 残念だ!
<o:p></o:p>
同時に畑からは雀が数羽、飛び去った。畠には妻が豆(何豆か知らない)や玉ねぎを植えており、台所の生ゴミを時々埋めているので、その生ゴミを穿っていたのだ。なんとなく「さもありなん」と思った。鶯が畑を啄むのは絵にならないし、それは雀であってこそ、まぁ許せる。カラスだったら、それこそほうきを持って追い払わなくてはならない(植えた種を食べられることが何度もあるから)
<o:p></o:p>
まもなく3月、お雛祭り。桃の花も咲いて春も本番。長かった冬が終わる。正直に嬉しい。
<o:p></o:p>
<o:p></o:p>