福井市の子育て・少子化対策についてお話をお伺いしました
福井市は地球温暖化防止活動で環境大臣賞を受賞しています
滋賀県長浜市で「黒壁スクエア」を視察しました
5月12日は午前中いっぱい福井市で行政視察を行いました。最初は子育て支援・少子化対策です。担当の方から少子化対策、児童福祉への取り組み、保育・子育て支援の取り組みについて詳細なお話しがありました。
その中でも私たちが関心を持っていたのは少子化への取り組みです。平成20年の福井市の合計特殊出生率は1.60となっており、全国の1.37、東御市の1.58を上回っています。
こうした福井市の出生率の高さについて担当の方は、女性の就業率の高さ(福井市の共働き率55.5%、全国44.4%)、3世帯同居世帯の割合の高さ(全国2位)、ボランティア活動への意欲の高さ(全国2位)、良好な生活環境(持ち家率全国3位)、全国に比べ25歳以上の未婚者の割合が低いこと、保育園や幼稚園・産科・婦人科医師が多いことなどをあげられていました。
共働きが多いため一定の収入が得られ、同居している親の援助もあり保育施設も充実しており、住宅環境も良好であることが高い出生率につながっているのでしょうか。担当者のお話では子供さんが3人いる世帯も多いとおっしゃっていました。
行政としても少子化のために様々な取り組みを行っています。その中で注目したのは「自然な出会いの場」創出事業です。結婚する相手との出会いをつくろうと平成14年から取り組んでいるそうです。対象者は45才以下の独身男女。平成20年は募集男女それぞれ190人に対し、応募者は男性347人(平均年齢32.7才)、女性217人(平均年齢31才)だったそうです。ここで出会って結婚された方はこの7年間で8カップルだそうです。
こうした取り組みは上田広域でもかつて行っていたそうです。しかし呼びかけても女性が集まらず結局やめてしまったとのこと。定員をはるかに上回る応募者がいることが驚きでした。今年度からは「ちょこボラ・ちょこかつ事業」 をスタートさせました。これは環境保全など身近なボランティア活動を通じて人生のパートナーを見つけるというものです。環境とボランティア活動と少子化をまとめて面倒を見ようというものですが、こうした行政の取り組みに市民が参加してきてくれるというのは驚きです。東御市では難しいだろうなと感じました。
それにしても福井市では一般市民の方がごく普通にボランティア活動が取り組まれています。ボランティア活動のハードルがずいぶん低いと感じます。ですからボランティア活動と婚活を結びつけて考えるという発想が生まれるのでしょう。
福井市におけるもうひとつの行政視察は地球温暖化に対する取り組みです。ここでもボランティアが頑張っていました。福井市において環境基本条例が制定されたのが平成11年(1999年)、その2年後環境計画を市民・業者・行政が連携・協働して進めていくために「福井市環境パートナーシップ会議」が発足しました。
その活動内容たるや環境計画のチェックと提言、学校や家庭における環境ISOの運用などを行い、環境について学ぶ「エコカレッジ」を運営するなど実に多彩であり本格的です。この活動が評価され平成21年に環境大臣表彰を受賞したそうです。
福井市の視察を終えて感じたのは、福井市においてはまだ地域コミュニティが存在し、それが子育てや環境などの様々な活動をボランティアという形で支えているということです。地域で生きていくネットワークが確かに存在していることが、暮らしやすさにつながっているのではないかと思いました。
午後福井市から北陸自動車道で滋賀県長浜市に移動。長浜は「黒壁」とガラス工房でまちの活性化に取り組み、今では年間280万人もの観光客が訪れています。東御市でも海野宿の活性化が課題となっております。この時も外国人観光客など大勢の方が訪れていました。
「黒壁」によるまちおこしは海野宿にとっても参考になります。昔の宿場がそのまま残っているという点では「黒壁」を上回る歴史と伝統があり、可能性を秘めているとも言えます。今後大いに議論してよりよい方向を見出して行くことができればと思っています。
いまホテルで行政視察をまとめて書いています。内容の濃い二日目が終わりました。