先日温泉施設への委託料について書きましたが、引き続き考えてみたいと思います。東御市には現在4つの温泉施設があり、東御市振興公社に運営を委託しています。毎年7000万円にも及ぶ委託費を支出しています。
温泉施設の経営状況について分析するにあたり、よりわかりやすくするために利用者一人当たりのデータを作成しました。下の表をご覧ください。利用者一人当たりの平均入館料や原価・経費、そして収支の状況を載せてあります。
●一人当たり経営状況(平成20年度)単位:円
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湯楽里館 収入 原価 経費 支出 収支
・委託事業 388 - 422 422 ▲34
・自主事業 454 217 156 373 81
合 計 841 217 578 795 46
----------------------
ゆうふる 収入 原価 経費 支出 収支
・委託事業 352 - 487 487 ▲135
・自主事業 229 126 100 226 3
合 計 580 126 587 713 ▲133
----------------------
御牧乃湯 収入 原価 経費 支出 収支
・委託事業 281 - 376 376 ▲95
・自主事業 235 80 118 198 37
合 計 516 80 494 574 ▲58
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明神館 収入 原価 経費 支出 収支
・委託費 644 - 861 861 ▲217
・自主事業 760 305 385 690 70
合 計 1404 305 1246 1551 ▲147
----------------------
全体 収入 原価 経費 支出 収支
・委託事業 381 - 481 481 ▲100
・自主事業 367 169 154 323 44
合 計 748 169 634 803 ▲55
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たとえば湯楽里館は一人当たりの収入は841円。経費などの支出は795円ですので収支は46円。すなわち一人入館すれば46円のプラスとなります。
利用状況を温泉を利用する委託事業と、飲食や物販販売などの自主事業とに分けてみると、委託事業は一人当たりの収入は388円、支出は422円。収支は34円のマイナスでした。自主事業は454円の収入、支出は373円。収支は81円のプラスでした。
入館料は普通500円ですが上記の場合388円で112円も低くなっています。これは年間利用券などで入館する方がいるからです。
御牧乃湯の自主事業が281円と他と比べて低いのは、もともと入館料が400円であるためです。明神館が他と比べて高くなっているのは宿泊施設の利用があるからです。
全体で見ると委託事業の収入は381円、支出は481円、収支は100円のマイナスです。つまり一人入館すると100円のマイナスとなります。この100円を補填するのが委託料ということになります。一方自主事業の収入は367円、支出は323円。収支は44円のプラスとなります。
そこでもう一度上記の表をご覧ください。委託事業はすべてマイナス、自主事業はすべてプラスとなっていることがわかります。自主事業とは温泉施設で飲むビールやおつまみ、食事、お土産などです。つまり温泉施設を利用される方は、入館料で381円支払って温泉に入り飲食やお土産で367円使っているわけです。
いまどこの日帰り温泉でも温泉施設の経営だけでは利益を出すことができません。それを飲食や物販で補って利益をあげるというのが経営戦略となっています。ですから飲食の提供やお土産物など物品販売に力を入れています。
しかし東御市の場合もうからない温泉事業のみ分離して委託し、赤字を委託料で補填する。もうかる飲食・物販は自主事業として振興公社の利益とする。こうした構造になっています。これでは赤字の補填は際限なく続くことになります。
一般的に収支を改善するには2つの方法があります。すなわち、利用者を増やすことと、利用者に食事をしてもらったり買い物をしてもらったりして利用額を増やすことです。いま日帰り温泉が増え、景気も悪い中では利用者を増やすことは至難のわざです。そこで利用額増に取り組むことになります。しかし東御市の場合利用額を増やしてもそれはすべて振興公社の自主事業であり振興公社の利益に貢献するだけで、東御市からの委託料を削減することには結びつきません。
そもそも振興公社の自主事業といっても委託している温泉施設の中で行われており、温泉利用から派生する事業であり一体のものとして考えるべきではないでしょうか。すなわち東御市からの補填は100円のマイナスに対して行うのではなく、55円のマイナスに対して行うべきではないでしょうか。そうすれば現在7000万円を越える委託料を削減することができます。
もうからない温泉は市で面倒をみてもらって、もうかる飲食・物販は振興公社がもらうという「いいとこどり」の経営は市民の納得が得られないのではないでしょうか。振興公社はこのほかに独自事業として大田区休養村やレストランおらほ、地ビール工場、物産センターなども経営しています。
そもそも振興公社は第三セクターとして東御市によって設立されたものであり、利益追求だけが目的ではありません。いま東御市が財政改革・経費削減に取り組んでいる中、温泉施設への委託料も聖域ではありません。振興公社自身が売り上げ増と経費削減に勤め、経営革新を図り多額の委託料の削減に取り組むべきではないでしょうか。経営改善の成果を市民にも還元する取り組みが求められていると思います。
温泉施設の経営状況について分析するにあたり、よりわかりやすくするために利用者一人当たりのデータを作成しました。下の表をご覧ください。利用者一人当たりの平均入館料や原価・経費、そして収支の状況を載せてあります。
●一人当たり経営状況(平成20年度)単位:円
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湯楽里館 収入 原価 経費 支出 収支
・委託事業 388 - 422 422 ▲34
・自主事業 454 217 156 373 81
合 計 841 217 578 795 46
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ゆうふる 収入 原価 経費 支出 収支
・委託事業 352 - 487 487 ▲135
・自主事業 229 126 100 226 3
合 計 580 126 587 713 ▲133
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御牧乃湯 収入 原価 経費 支出 収支
・委託事業 281 - 376 376 ▲95
・自主事業 235 80 118 198 37
合 計 516 80 494 574 ▲58
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明神館 収入 原価 経費 支出 収支
・委託費 644 - 861 861 ▲217
・自主事業 760 305 385 690 70
合 計 1404 305 1246 1551 ▲147
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全体 収入 原価 経費 支出 収支
・委託事業 381 - 481 481 ▲100
・自主事業 367 169 154 323 44
合 計 748 169 634 803 ▲55
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たとえば湯楽里館は一人当たりの収入は841円。経費などの支出は795円ですので収支は46円。すなわち一人入館すれば46円のプラスとなります。
利用状況を温泉を利用する委託事業と、飲食や物販販売などの自主事業とに分けてみると、委託事業は一人当たりの収入は388円、支出は422円。収支は34円のマイナスでした。自主事業は454円の収入、支出は373円。収支は81円のプラスでした。
入館料は普通500円ですが上記の場合388円で112円も低くなっています。これは年間利用券などで入館する方がいるからです。
御牧乃湯の自主事業が281円と他と比べて低いのは、もともと入館料が400円であるためです。明神館が他と比べて高くなっているのは宿泊施設の利用があるからです。
全体で見ると委託事業の収入は381円、支出は481円、収支は100円のマイナスです。つまり一人入館すると100円のマイナスとなります。この100円を補填するのが委託料ということになります。一方自主事業の収入は367円、支出は323円。収支は44円のプラスとなります。
そこでもう一度上記の表をご覧ください。委託事業はすべてマイナス、自主事業はすべてプラスとなっていることがわかります。自主事業とは温泉施設で飲むビールやおつまみ、食事、お土産などです。つまり温泉施設を利用される方は、入館料で381円支払って温泉に入り飲食やお土産で367円使っているわけです。
いまどこの日帰り温泉でも温泉施設の経営だけでは利益を出すことができません。それを飲食や物販で補って利益をあげるというのが経営戦略となっています。ですから飲食の提供やお土産物など物品販売に力を入れています。
しかし東御市の場合もうからない温泉事業のみ分離して委託し、赤字を委託料で補填する。もうかる飲食・物販は自主事業として振興公社の利益とする。こうした構造になっています。これでは赤字の補填は際限なく続くことになります。
一般的に収支を改善するには2つの方法があります。すなわち、利用者を増やすことと、利用者に食事をしてもらったり買い物をしてもらったりして利用額を増やすことです。いま日帰り温泉が増え、景気も悪い中では利用者を増やすことは至難のわざです。そこで利用額増に取り組むことになります。しかし東御市の場合利用額を増やしてもそれはすべて振興公社の自主事業であり振興公社の利益に貢献するだけで、東御市からの委託料を削減することには結びつきません。
そもそも振興公社の自主事業といっても委託している温泉施設の中で行われており、温泉利用から派生する事業であり一体のものとして考えるべきではないでしょうか。すなわち東御市からの補填は100円のマイナスに対して行うのではなく、55円のマイナスに対して行うべきではないでしょうか。そうすれば現在7000万円を越える委託料を削減することができます。
もうからない温泉は市で面倒をみてもらって、もうかる飲食・物販は振興公社がもらうという「いいとこどり」の経営は市民の納得が得られないのではないでしょうか。振興公社はこのほかに独自事業として大田区休養村やレストランおらほ、地ビール工場、物産センターなども経営しています。
そもそも振興公社は第三セクターとして東御市によって設立されたものであり、利益追求だけが目的ではありません。いま東御市が財政改革・経費削減に取り組んでいる中、温泉施設への委託料も聖域ではありません。振興公社自身が売り上げ増と経費削減に勤め、経営革新を図り多額の委託料の削減に取り組むべきではないでしょうか。経営改善の成果を市民にも還元する取り組みが求められていると思います。