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碑文谷アピアに2ヶ月に一度出演する二人楽団でたんの大きい方。スカイツリーが見える町に住む。

悪魔王子

2006年01月17日 23時21分06秒 | ぶちでたん
墨東入院中、お見舞いに来てくれた写真屋ポッキーくんがお土産にインカコーラをくれました、てな話しがありましたが、ポッキーくん、この年末年始はイエメンに行ってたらしく、年賀状を兼ねた絵葉書がイエメンから今日届きました。

ほほ~イエメンねえ、と本文を読みつつ、ふと眼を切手の方に移して吃驚仰天!そこにはとても懐かしい顔がこちらを見つめていました。そのヒトの名は、プリンス・ナジーム・ハメド。

彼はイギリス生まれのイギリス育ちながら、両親共にイエメンからの移民であったために「アラブのプリンス」だの、或いは「狂気のプリンス」だの「悪魔王子」だのと呼ばれていた、90年代ボクシング界に旋風を巻き起こしたボクサーなんである。

何が旋風だったかって、ボクシングってのは「左を制するものは世界を制す」と言われるほどに、堅くガードを固めながら左ジャブで間合いとタイミングを計って試合のペースを掴んでいくってぇ戦い方が極めて一般的なんである。

あしたのために その一
攻撃の突破口をひらくため、あるいは敵の出足をとめるため左パンチをこきざみに打つこと。このさい、ひじを左わきの下からはなさぬ心がまえで、やや内角をねらいえぐりこむように打つべし。せいかくなジャブ三発につづく右パンチは、その威力を三倍に増すものなり。


これは「あしたのジョー」で丹下段平が少年院矢吹丈にあてた手紙であり、ここでも強調されているようにジャブってのはボクシングでは非常に重要視されるパンチなんである。

しか~し。

このハメドってのは、そんな「ジャブ」をまったく打たないんである。そればかりでなく、ガードもほとんどしない。

そんじゃパンチ貰いっ放しかというとさにあらず、その異常に柔らかい身体をフルに使い、左右に身体を振ったりのけぞったりすることで相手のパンチの殆どをかわし、かつ「当ててみなよ」と言わんばかりに顔を突き出したりして相手を挑発するんである。

相手はますますパンチを打ち込むわけやけども、これも全部かわしたうえで、ノーモーションで想像もつかないタイミングと角度で、ストレートとも何とも形容しがたいパンチを放つんである。そして、このパンチが滅法強い!37戦36勝31KO1敗という彼の戦績が、彼のパンチの強さを何よりも雄弁に物語ってるんである。

ところがこのハメド、2001年に唯一の1敗を喫した後、翌年に1試合しただけで、そのまま1試合をしてないんである。引退したというニュースも聞かないんであるが、いったい何してるんだろうか?

・・・・・・と、たまに思い出したりする存在だったんであるが、まさかこんなとこでお眼にかかるとは!切手にもなってるくらいだから、やっぱしイエメンでは英雄だったんやなあ。何してるんかなあ。


※当然ですが、右側がハメドです。