さて、続きましては麺類二題の二題目。皆さんは「一本うどん」なるうどんをご存知だろうか?
蕎麦よりはむしろ饂飩文化圏であるところの西日本・広島からやってきたKanother的にも、そのような名前・形態のうどんは聞いたことがない。そして、それを始めて目にしたのが、池波正太郎作「鬼平犯科帳」のなかでなんである。
件の一本うどん、作中では指ほどの太さでとぐろを巻いて盛られたやつを、柚子や擂胡麻、葱などの薬味をあしらった濃目の汁で食べるってな解説になってるんであるが、こんなもん読んだって皆目見当がつかん。
だもんで、ちとばかし調べてみると、何と東京・文京区は本郷のうどん屋さんで、鬼平の味を再現したという、一本うどんを出すお店があるというではありませんか!
んなわけで、早速ツレアイが諸先輩方と喰いに行ってきた(Kanother自身は当日所用により行けず)んであるが、出てきた一本うどんに一同驚愕!四人で四人前頼んだんであるが、四人前の一本うどんは女四人では全く喰いきれんヴォリュームで、結局喰えずに残ったそれは自宅で待つKanotherへのお土産となったんであった。店の主人によると、女四人では絶対に喰えんだろうと踏んどったそうです。実際、喰いきれずお土産にするお客も多いそうで。
さてこの一本うどん、そんなこんなのお話しは聞いてたんであるが、ツレアイが持ち帰ってきた実物を見て、やはりツレアイ一味同様にまんまと驚愕してしまったんであった。
「指ほどの太さ」てな話しであったんであるが、まあ指なんてもんじゃない。敢えてこれを指というならば、アンドレ・ザ・ジャイアントか曙の親指である。そんくらいにブッとい。そして、そのブッとい麺が名の通り一本、とぐろを巻いており、端から箸で切りながら、お出汁に潜らせて喰うんである。
そして、そんなブッというどんは比較的麺自体に塩味が効いており、潜らせるお出汁はどちらかというと関西風のあっさり目。これに摺胡麻、小葱、山葵などの薬味を混ぜて喰うんであるが、その喰い応えってばこれがまたアンドレ級。歯応えもさることながら、喰い進めるにしたがってボディに確実にダメージが蓄積されていくのが実感できるんである。見た目以上に重いパンチなんである。明らかに箸を進める手が鈍ってくるのがわかるんである。恐るべし、一本うどん。
何とかフルラウンドを戦い抜いたKanotherだったんであるが、蓄積されたダメージは翌日まで抜け切らず、昼食ではOLさんが喰うようなちっちゃなコンビニ弁当1ヶすら持て余し気味だった、Kanotherなのでした。