でたん関係者掲示板で妹嬢が述べてましたが、退院以来、近所の茶店にチョコチョコと出向くんである。
ツレアイが仕事で部屋に独りの昼下がりなど、毎日のように家で横になっていても体が鈍る一方なんで、軽い運動も兼ねて家から数軒先の喫茶「ロイヤル」に行ったりとかしてたんである。入院保険の手続きで保険屋さんに来てもらったときもこの茶店で待ち合わせました。
チョコチョコと行ってみると、昼間の喫茶店てのは面白い所なんである。コーヒー一杯で数時間、延々とタバコを吸っているおばはん(この間、特に何か読んだりもしていない。ただただタバコを吸うてるんである。)とか、同じくコーヒー一杯で数時間、ただ眼をつぶって座っているおばはんとか、数人でたむろして今日の営業の相談をしているY新聞の勧誘員とか、週末の競馬の話しを楽しげにしているじいさん2人組とか、それぞれの思惑ありげな雰囲気の3人組の男女とか、単に営業サボってる風のホワイトカラーとか、作業休憩のひと時を過ごしてる風のブルーカラーとか、ご近所さん風のヒトが店のマスターと親しげに話してたりとか、何しろ江東区に越してきて1年余、延々と繰り返されていたであろうこうした風景を全く眼にすることなく、わしは過ごして来てたんである。そう考えると、非常に感慨深いもんがありやすです。
自分が住んでる街の、自分が平常うろついている以外の時間帯の姿を眼にするってなあ、結構新鮮なもんですよ。ぶらり途中下車の旅ならぬ、ポキリ大腿骨骨折の旅。皆さんもたまには自分の街を思わぬ時間帯にブラリしてみませんか?新たな発見があるかもしれませんよ、てな感じにぶらり途中下車の旅滝口順平風にまとめつつ、そんな近所の茶店の自慢の一品がこれ、豚しょうが焼。何が自慢って、このしょうが焼きのタレが自家製で、タレ自体を持ち帰りで店頭販売するほどにご自慢の一品のようなんである。
わしも当然喰うてみましたが、決して奇を衒うことのない、非常に正統派のしょうが焼きの味。これこそが俺だけの王道と言わんばかりの、愚直なほどにシンプル、且つムダを一切省いたブレンドなんである。
奇を衒わない分、これを喰え!と強烈に勧めるほどのパンチはないんであるが、ただ、メシってパンチがあればえぇってぇもんでもなく、喰うて逆に気分のマッタリする味ってのもあるやないですか。ここのしょうが焼きはそれっすね。
正しいしょうが焼きが喰いたい。メシに激しく感動するのではなく、あぁ、こうだよな・・・と思いながらスポーツ新聞片手に静かに喰いたい。そんな気分のときは江東区は喫茶「ロイヤル」までお越し下さい。ご期待は裏切らんかと思いやす。松葉杖で独りで行くとドアを開けてくれたりとか、とっても親切だったりもしますです。
※こちらはナポリタン。これも正しく茶店の味である。