人間、いつどんな場面に出くわすかわかりません。その時どうゆう判断をしどう行動するか、大きな結果の違いとして現れます。それが人命に関わる場合は特に。
区画整理前の小出本町通。夏の午後でした。突然の雷雨。あっという間に流雪溝の水があふれ道路との境がわからなくなりました。そこに大型バスが止まり楽しい行楽帰りの小学生が降りてきます。
その当時は流雪溝に蓋の無いところがたくさんありました。ひとりの小学生がスーと水の中に消えました。その下流は10メートルくらい蓋があり1箇所だけ開きそこから30メートルは又ふさがっていました。
引き上げなければの思いのみで体が自然に動いていました。しかし川の中に入ったら私も流されます。腹ばいになり両手を突き出しました。直後大きなものが手に当たりました。とにかく掴みました。その子のシャツでした。ものすごい水流に又引き込まれそうになった時、もう1人の男性が手を貸してくれようやく引き上げたのです。
その子は10秒くらいうつろな表情の後、激しく泣き出しました。引率者に渡しその場を離れましたが、全身びしょぬれ、でも充実感でいっぱいでした。
その後、思ったことです。実は私も子供の頃、流雪溝を30メートルくらい流されて助けられたことがあります。ああ、これで恩返しが出来たんだと。
わたしが助けられたのも、助けたのも瞬間の判断のなせる業です。日頃から心がけたり想定したりが、いかに大切かと改めて思いました。