玄関に飾った白い小さな花が良い香りを漂わせている。
金木犀に似た匂い。
柊の花である。
柊は庭の隅で育っている。
ほったらかしでもすくすく育つ。
そして今年も花をつけた。
白くて小さな花。
実はこれまで気づいていなかった。
それほど目立たない。
柊の花が良い匂いがすると知ったのはついこの間のこと。
ある新聞のコラムだった。
どの新聞で誰が書いたのかは記憶にない。
ただその文章だけが頭の隅に残っていた。
そう、ちょうど花の残り香のように。
昨日、我が家の柊をまじまじと見てみた。
確かに咲いている。
白い小さな花が。
近づくと良い匂いがする。
金木犀のような匂い。
柊はモクセイ科と知って納得した。
柊の葉と花を鋏で切り、南天の赤い実と一緒に玄関に飾った。
どんな芳香剤よりも良い匂いが漂っている。
柊の葉の緑、白い花、赤い南天の実。
一足早いクリスマス仕様となった。