大晦日。
毎年、一応おせちらしきものを作っている。
まあ、元旦からの酒のあてでもある。
台所で忙しく立ち居振る舞う割烹着姿は年の瀬の風物詩。
鍋から立ちのぼる湯気。
大晦日はてんてこ舞いだった。
昔はたっぷり作っていた。
何しろ三が日は店が休み。
おせちは保存食でもあった。
だから、2日目には飽きてくる。
昔、「おせちも良いけどカレーもね」と言うCMが話題になったが、カレーやラーメンはおせちに飽きた胃袋の救世主だった。
今では元旦から開けるのが店の常識。
働き方改革やら人手不足やらで開けるの開けないのと話題になるくらい。
どこもかしこも平常運転では正月気分も薄れようと言うもの。
おせちも作らない家庭が増えているらしい。
懐古趣味と笑わば笑え。
今夜はきっちり年越し蕎麦を食べて、元旦には雑煮を食べる。
真っ当な正月を迎えてやるのだ。