橋下元大阪府知事が首相ですら森喜朗会長を辞任させられない現状について、日本学術会議会員の人事問題を引き合いに出して、独立した組織に対する政治の介入を正当化する論を展開している。
日本学術会議の委員を菅総理が任命させなかった一件で、政治の介入は当然と主張していた彼が持論を補強するための強弁で、明らかに論理のすり替え。
最近のこの男の論は危険水域に達している。
三百代言とはよく言ったもので、詭弁を弄するテクニックはまあお見事。
あれだけ堂々と、早口で、つけ入る隙を与えず喋り倒せば、つい正しいと思ってしまう人がいても不思議ではない。
あの句読点のない喋りはアナログ時代の編集技術では切れない。
日本学術会議もオリンピック組織委員会も独立した組織ではあろうが、そもそも政治の介入とは無縁の学術会議と、政治は愚か国を挙げて誘致したオリンピックを仕切る組織委員会とは政治との距離が全く違う。
しかも森喜朗は元首相。
極めて政治色が強い組織。
一緒くたに論じるのは乱暴すぎる。
稀代のアジテーター橋下徹を使い続けるメディアの見識は危うい。