元農水次官に懲役6年の判決が出た。
懲役3年で執行猶予がついても良い事件だとも思ったが、求刑が8年ではそれも難しい。
東大卒のエリート官僚。
その家庭での不幸な事件。
世間の見る目は案外厳しいのかもしれない。
事件の直前に登戸で起きた通り魔事件。
犯人は引きこもり。
我が子が他人を殺すくらいなら、と思う親の気持ちは理解できる。
もし、同じような事件を起こしていたら、エリート官僚に対する風当たりは今の比ではないだろう。
裁判長が判決で言った言葉が気になった。
「主治医や警察に相談すべきだった」。
もっと他人に相談すべきだったとは多くの識者も指摘している。
エリートのプライドが他人への相談を良しとしなかったと。
そういう一面はあるだろうが、誰もが見逃している現実がある。
虐待事件の児相、ストーカー事件の警察、DV事件の役所。
公的機関が信頼を裏切った事例はいくらでもあるということを。
仮に元農水次官が警察に相談していたとしても、警察に何ができたのか。
大いに疑問。
知人に相談したところでガス抜きにはなっても、決定的な解決にはなるとも思えない。
所詮、他人事なのだ。
一般論で断罪するのは容易いが、世の中全てが一般論で片づけられるほど単純ではない。
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