富山二日目、駅に荷物を預け、まずは「富山ライトレール」で岩瀬に向かいます。
この線はもとはJRの富山港線で、富山と岩瀬を結ぶ私鉄として開業したものを国鉄が買収したという経緯から、交流電化の北陸本線に対し直流電化のままで、お荷物的ローカル線だったものを第三セクターに移管し、路面電車(ライトレール)化した路線です。
路面電車は、自家用車の普及による乗車人員の減少と、自動車増加による交通の障害になるとの理由で、日本では衰退の一途をたどっていました。
だいぶ前から、環境意識の高いヨーロッパでは、市街地への自動車の乗り入れを規制し、代わりにトラム=路面電車を運行する例も増えてきましたが、日本では普及していませんでしたが、そんな状況に一石を投じたのが富山ライトレールの登場と成功で、今では各地でLRTが計画されるようになっています。
ライトレール化のメリットは、運転本数の増加と低床車両の導入によるバリアフリー化、バスに比べて正確な運行で、これにより新たな需要が呼び起こされ予想を上回る利用状況と聞きます。
富山ライトレールは、富山駅北駅から出発します。富山駅高架化完成後は、南口の市内線への乗り入れも検討されているとのことで、今は不便な南北のアクセスが改善されるとのことです。
富山まちなか・岩瀬フリーきっぷを購入し、列車に乗り込みます。富山ライトレール全線、富山地鉄市内線全線、鉄道線富山~南富山間、地鉄バスの富山駅から270円区間が一日乗り放題で800円です。ちなみに、ライトレールと地鉄市内線の運賃は1回200円均一です。
富山ライトレールの車両はTLR0600形、通称「ポートラム」。7編成すべて色が異なっていますが、今日は緑の第5編成です。
ちなみに、富山ライトレールには「とれねこ」というマスコットキャラクターがいます。列車の色と同じ7匹がいて、緑は「えこ君」です。
この車両は、LRT先進国の欧州からの技術導入によって製造されました。内装も欧州仕様なのか、明るくて大きな窓が気持ちよいですが、降車ボタンは、なれないと使いにくいです。
富山駅北駅を出てしばらくは併用軌道区間を走りますが、信号が多く、スピードも上がらず定時運行は苦労しそうです。富山港線時代はJR富山駅に乗り入れていましたが、ライトレール化されたときに路線変更された区間です。
しかし、専用軌道区間に入ると一変します。最高速度60km/hとのことですが、路面から近く、周囲の建物とも近いので、かなりのスピード感です。しかし、路面に吸い付くような感じで、ほとんど揺れは感じません。
何よりもすごいのは、加速のよさで、あっという間にトップスピードに達する感じです。併用軌道を走行するとき、加速のよさは大事です。
約20分で東岩瀬に到着。
東岩瀬は、JR時代の駅舎とホームが残っています。線路の左側にあるのがライトレールのホームです。
ここで下車し、岩瀬の町を散策します。
<その2へ続く>